【佐藤義則氏の眼】才木メリハリ効いた投球できていた

 「中日ドラゴンズ0-0阪神タイガース」(24日、バンテリンドーム)

 阪神は先発の才木浩人投手(24)が自己最長10回を投げ、5安打7奪三振無失点の熱投。自身9勝目は逃したが、CSファイナルS先発登板に向け、存在をアピール。デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏も「自信になったんじゃない」と期待を寄せた。

  ◇  ◇

 才木はストライク先行でテンポの良い投球だった。特に初球にストライクを取る確率が高かったので、優位に打者と勝負できていた。直球は少し高かったけど、最後までスピードが落ちなかった。球威もあるので相手にもしっかりとスイングさせず、フライアウトが多かった。

 スライダーも良かったし、カーブでもカウントを稼ぐことができた。才木の持ち味は直球とフォークだけど、この2球種だけでは、なかなか抑えることはできない。緩い球を使うことで直球とフォークもより生きてくる。

 今季は夏場に調子を落として2軍落ちも経験した。結果が出なかった時は、直球とフォークに頼った単調な投球になっていたが、この日は緩急をつけたメリハリの効いた投球ができていた。

 2桁勝利は難しくなったけど、2軍調整の期間も長かった中で、ここまで勝ち星を積み上げられたことは本人も自信になったんじゃないかな。この日の投球ならポストシーズンでも先発の一員として十分に役目を果たしてくれるだろう。

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