「阪神タイガース５－１広島東洋カープ」（９日、甲子園球場）

　試合後の阪神・岡田監督は笑顔満開だった。２位・広島に連勝。７連勝で、マジックを一気に３つも減らした。

　「明日も広島ですけど、何とか勝っていけば減っていくんで。まあ、もう少し楽しみに（笑）、ゲームやっていきます」

　勝負勘がさえ渡った。二回、ノイジーの適時打で先制し、なおも１死一、三塁で打席には大竹。２ボールから相手の守備隊形が変わると、瞬時にバスターに変更した。「バントの構えで前来たからさ」。大竹は４球目を鮮やかな左翼線適時打に。「バスターやったらゲッツーならんやんか。その守備隊系のおかげやろな」。サングラス姿の指揮官はしてやったりの表情だ。

　継投策もハマった。５－０で迎えた七回、大竹が１点を返され、代打・デビッドソンが登場すると、石井をマウンドへ。「あとのピッチャーも全然元気なので、スパッと代えることにしましたね」。５－１の九回も２死一、二塁のセーブシチュエーションとなると、岩崎を送り、初タイトル獲得へ後押しした。

　「よう（走者を）出しよったわ、桐敷も。あれでセーブが付いたわけやからな。（タイトルは）そら取らせなあかんから、２人、２人（出ろと）、言うとったんや」

　マジックはついに１桁に。本格的なカウントダウンが始まったが「いやいやまだやろ」と首を横に振り、岡田流ジョークで返した。「やっぱりシングルでも片手以下やろ。８とか９は弱いで。片手にならんと強ないもんな、ゴルフでも、そういうことやろ」。采配だけでなく、岡田節も絶好調。１４日の最短Ｖを視界に捉え始めた。