“マルチ王”阪神・中野の速攻V撃 近本不在も不動の2番は健在 142Hで最多安打も視界に

 1回、右中間に先制適時三塁打を放った中野
 1回、先制適時三塁打を放ち、スライディングする中野
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 「中日ドラゴンズ2-8阪神タイガース」(5日、バンテリンドーム)

 24分間の猛攻を披露した初回。チームの積極策を阪神・中野拓夢内野手(27)がバットで生かし、快勝劇の流れを作った。「うまく打球が乗ってくれたかな」と自画自賛の決勝打。虎が誇る恐怖の2番の勢いが止まらない。

 先頭・森下が左前打で出塁し、無死一塁で打席を迎えた。カウント2-2からの6球目、一走・森下が二塁へスタート。中野は「ショートがベースカバーに入るから、ショート方向に打とう」と逆側に意識を持っていたが、涌井の投じた球はチェンジアップだった。

 少しタイミングを外されたが、すぐさま強振して対応。右中間を破る先制の適時三塁打となり「森下がいい形で出てくれたので、先制点を取れたことは非常に良かった」。今季、5本目の三塁打で自身のキャリアハイだ。

 両リーグトップで今季43度目のマルチ安打も難なく達成した。3点リードの二回2死走者なしでは、涌井の直球を左前に運んだ。複数安打でトップに君臨していることを知ると「そうなんですか?」と驚きの表情。固め打ちへの意識が、好結果につながっている。

 「1本打って満足せずに自分の中で貪欲にというか、そういう打撃ができている結果が2、3本の安打につながっている。自分の打席をしっかりと送ろうという結果ですね」

 暑い時期はどうしても「食欲が落ちてくる」と明かす中野だが、「無理をしてもある程度は食べる」ことを意識していた。食べたいものは日によって変わるそうだが、炭水化物やタンパク質などを効果的に取り、間食も食べながら「バテない体」作りを徹底した。

 調子の波も少なく、ここまで142安打をマーク。1位の中日・岡林とは3差で、初の最多安打獲得の可能性もある。アレに向かって突き進むチームで、日々、勝利に導く快音を打ち鳴らす。

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