【野球】阪神・中野“嫌らしい”2番打者へあえて振らない 選球眼向上!WBCで近藤から吸収

 ボールを見極める中野=4月8日、甲子園
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 今季から「2番・二塁」に定着した阪神・中野拓夢内野手(26)が「嫌らしい2番打者」を理想としている。打率・333、出塁率・424と好成績をマークしているが、その一つがボールゾーンスイング率の良化にある。「嫌らしい形の打席を多くしたい」と考えており、WBC期間中は不動の2番打者だったソフトバンク・近藤の打撃スタイルに着目していた。(データは共同通信デジタル)

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 ボール球に対して、誘われることなくピタッとバットが止まる。的確にゾーンに来た球を打ち返し、ボール球を見極めて四球を勝ち取る。今季、3年目の中野が確実に打席の中で進化を見せている。

 「自分の中では去年より積極的にいい意味でいかないというか。ボールを選ぶじゃないですけど、そういう形でボールを呼び込んでくる感覚で今は、ボールを見ています」

 開幕から2番での出場が続く。新人だった21年は73試合、昨季は49試合に同打順を担ってきたが「前はあまりボールを見るというよりも積極的に」若いカウントからスイングしていた。ただ、今年は「あえて振らない」ことで出塁率向上や高打率の維持を視野に、「嫌らしい」打者になることが理想だという。

 ボールゾーンスイング率に着目したい。21年は31・2%、22年は31・1%だったが、今季(10日現在)は17・2%と良化している。試合数の関係から単純比較はできないが、数字上のデータから見ても選球眼の向上の傾向が見て取れる。

 つなぎを求められる2番打者としての意識も強い。「今年に関しては球数を放らせたり、ちょっと嫌らしい形の打席を多くしたいんです。今のところはできているのかな」。昨季は打率・276ながら、出塁率は・301にとどまっていたが、今年は現時点で打率・333、出塁率・424とさらなる成長を期待できる数字が並ぶ。

 侍ジャパンで戦ったWBC期間も生きている。宮崎での合宿期間中から近藤の打撃に着目。不動の2番打者から「嫌らしさ」を感じ取った。「やっぱり基本ボールを見ていきながらと感じましたし、状況に応じた打撃ができている」と、参考になる部分が多かった。

 これまでは「追い込まれたくない」という理由からの早打ちもあったが、現在は打席の中で「余裕」もあるという。岡田阪神を象徴する恐怖の2番打者になるために、真価が問われるのはここから。確かな手応えを信じ、さらに打席で「嫌らしさ」を求めていく。(デイリースポーツ・阪神担当・関谷文哉)

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