【岡義朗氏の眼】際立った流れ呼び込む阪神・岡田野球

 「読売ジャイアンツ6-9阪神タイガース」(26日、東京ドーム)

 阪神が6連勝で優勝マジックをひとつ減らして21とした。8月18勝目として球団史上最長となる東京ドーム6連勝(1分け挟む)も記録。打線は11四死球も絡めて効果的に9得点。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「選手一人一人が岡田監督の野球を理解し、やるべきことをやって流れをつかんでいる」と指摘した。

  ◇  ◇

 岡田阪神の「流れを呼び込む野球」が際立った。

 象徴的だったのは二回。佐藤輝の先制ソロの後、坂本が四球を選んだ場面で岡田監督は木浪に犠打を命じた。

 次打者が投手の青柳だけに、木浪は打たせるのが定番だろうが、まだ回が浅く、得点圏に走者を置いて近本、という局面を確実につくることで巨人側にプレッシャーをかけることを選んだ。近本四球の後、中野が凡退して2点目は奪えなかったが、手堅く、丁寧に試合を進める、というベンチの意図がよく伝わってきた。

 逆転した五回は坂本の四球がポイントになった。無死一、二塁からノイジー、佐藤輝が連続三振の後、フルカウントからファウルで1球粘り、しっかりと四球を選んだ。直後に木浪が逆転の2点適時打。「ボール球を振らない」というチームの方針を体現した坂本の四球が呼び込んだ、逆転劇と言っていい。

 今の阪神は勢いで野球をやっていない。選手一人一人が岡田監督の野球を理解し、やるべきことをやって流れをつかんでいる。

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