阪神の“安打王”近本 夏ロード勝ち越し決める今季8度目猛打賞 新人から5年目までで742安打は球団歴代最多
「広島東洋カープ3-5阪神タイガース」(16日、マツダスタジアム)
待ちに待った優勝マジックをともした。前夜の敗戦で連勝は10で止まったが、足踏みした虎を再び加速させるのは阪神・近本をおいて他にはいなかった。
先頭の初回、カウント1-2から九里が投じた130キロのチェンジアップを巧みに拾って右前に運んだ。今季最長の21試合連続出塁を更新。通算740安打とし、新人から5年目までの安打数で赤星憲広を抜いて球団記録の後藤次男に並んだ。
同点で迎えた二回の第2打席では2死一、三塁から127キロのフォークを右前に落として適時打とした。「打てるボールが来たら打つという感じでした」。勝ち越しに成功し、失策も絡んで2者が生還した。この一打が通算741安打目。一気に球団記録を塗り替えたが「そんなに気にしてないです」と関心を示さなかった。九回には矢崎から左前打を放ち、今季8度目の猛打賞で締めくくった。
5年間で残した数字は、どこか淡々と積み上げたように感じられるが決してそんなことはない。「(ヒットを打って)うれしいはずなのに、それを言葉にしてしまうと(自分に)甘くなってしまうというか、何が良くてヒットになったとか。打撃に関して考えることが少なくなってしまう」。理想の打撃を追い求めるがゆえに厳しく自らを律しているが、揺れ動く内面を表出させることはしない。時には「それがしんどい時もある」と漏らす。
5年目で初のマジック点灯を経験するが「別に気にしないです」と、ここでも淡々と受け止めた。残り試合は自らの数字よりもチームの結果が全て。「しんどい試合が続いているので、しっかり水分摂って、ミネラルを摂って頑張ります」とユーモアを交えながら球場を後にした。18年ぶり“アレ”に向けて、いよいよカウントダウンが始まった。
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