阪神・西純“二刀流”野手ばり走者一掃打 今季得点圏打率4割の勝負強さ 投げても6回2失点4勝目
「中日ドラゴンズ2-10阪神タイガース」(1日、バンテリンドーム)
虎の二刀流が度肝を抜いた。阪神の西純矢投手(21)が六回2死満塁で右越えの走者一掃の二塁打。野手顔負けの豪快な打撃で4点リードに広げると、投げては6回2失点で4勝目を挙げた。チームは14安打10点で、長期ロード初戦を幸先よく大勝。引き分けを挟んでの3連勝で貯金15とし、2位・広島と2差に広げた。
この日一番のガッツポーズを決めたのは、マウンドではなく二塁上だった。投打にわたる活躍で今季4勝目をゲット。西純は、はじけるような笑顔で喜びを表現した。
「すごいうれしかったですし、あそこで一気に、自分としては楽になった」
押し出し四球で1点を勝ち越した直後、六回2死満塁の絶好機で打席へ向かった。カウント2-2から、小笠原の外角高め直球に野手顔負けの力強いスイングで応戦。逆方向の最深部へ運ぶ走者一掃の右越え3点適時二塁打を放ち、試合の流れを一気に呼び込んだ。
「狙いの球じゃなかったんですけど、いい結果になって良かった」。これで今季の得点圏打率・400に。満塁機では、プロ通算2打数2安打、5打点と勝負強さも抜群だ。
もちろん、本業での奮闘があってこそだ。投げては6回2失点と粘りの投球でゲームメーク。「調子良くなかった分、何とか粘って投げないとなって思っていた。諦めずバッターに向かっていく姿勢はずっと見せてやっていた」とうなずいた。
ただ、反省も忘れない。チームが1点を勝ち越した直後の三回1死、細川に左越えへ同点ソロを被弾した場面を挙げ、「点を取ってもらった後の回に取られちゃったので、チームの雰囲気も重くなると思う」と猛省。「また来週しっかりとした投球ができるようにいい準備をしたい」と修正を誓った。
今でも精神的な支えだ。創志学園の恩師であり、現在は兵庫・篠山産の野球部監督を務める長沢宏行氏(70)とは、現在も試合後に連絡を取り合う。「『よくやった』とか『もっと強気に投げろ』とか連絡をくれます」。慣れない中継ぎや2軍降格も経験した中、久々の1軍登板前には「緊張してます」と率直な心境を吐露したこともあった。高1の秋に父・雅和さんが他界し、父親代わりとして寄り添ってくれた長沢監督。「メンタル、人間性の部分を指導してもらいました」と高校時代からの教えがプロでの成長につながっている。
長期ロード初戦の勝利を導き、「後半戦、大事な試合が続いていくと思うので、しっかり頑張ります」と右腕。“虎の二刀流”が真夏の猛虎をエネルギッシュに盛り上げる。
◆西純はこの日でプロ通算満塁成績が2打数2安打5打点。前回は2022年6月19日・DeNA戦での二回1死満塁で先制の左翼線2点二塁打だった。今季の得点圏成績は10打数4安打4打点で打率・400。7月17日・中日戦(甲子園)の二回1死二塁から中前適時打で追加点を挙げている。
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