【谷佳知氏の眼】「しつこさ」感じた阪神・井上
「ヤクルト0-4阪神」(28日、神宮球場)
阪神・井上広大外野手(21)が初回2死満塁から、左前に先制の2点適時打。チームは2試合連続の完封勝利で貯金を3とした。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏(50)は先制打の場面を振り返り「初球を狙った、振れたことが最大の勝因」と分析。さらに今季の打席では「しつこさ」を感じると評価した。
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初回、井上の打席が勝敗のポイントだ。佐藤輝が四球を選んで満塁とした後の初球。野球界では、四球後の初球狙いはセオリーとも言われるが、なかなか手が出ない打者は多い。まして高橋は好投手。初球を狙い、振れたことが最大の勝因だ。
今の井上には打席で「しつこさ」を感じる。長打も打てるが、今年はつなぐ意識が強い。森下もいい打者だが、まだ1年目。長打を打ちたいという思いが強く、投手の球に戸惑いもあるだろう。現時点で2人の差はプロでの経験値。「コンパクトに」という意識が良い方向に進んでいる。
ただ、その後の3三振は良くない。今後、必要なのは1打席目のように、チームが勝つためにどうするか考えることだ。佐藤の後ろを打つ井上勝負…となるケースが増える。そこでどんな仕事ができるか。今はまだがむしゃらだろうけど、考えて打席に立つようになれば、レギュラーとして十分やっていける。
佐藤輝は、まだ少し見逃し方に余裕がなく、狙い球が絞れていない。ただ、安打が出るようになってきた。余裕が出るし、長打も出てくる。また、打線もつながるようになってきた。元々、投手はそろっているチーム。今のまま戦っていければ、必ず上位にいけるだろう。
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