阪神・佐藤輝 やーっと初タイムリーで再び単独首位 聖地のテルコール「何回も聞けるように」

 「阪神6-1広島」(19日、甲子園球場)

 待ちに待っていた。阪神・佐藤輝明内野手(24)が、六回2死二塁で今季初の適時打となる左前打を放った。開幕から15試合目、55打席目で、悩める主砲に待望の一打がやっと出た。五回の左線二塁打を含めて、今季2度目のマルチ安打を記録した5番打者の奮闘で鯉に連勝。今季最多タイの貯金4。岡田阪神が15日以来の単独首位に躍り出た!

 泥だらけのユニホームが、佐藤輝の必死さを物語っていた。そこに笑顔はない。それでも、今季初適時打が飛び出した直後の三塁守備に就く際、今年聖地初の「テルコール」が響くと、少しだけ安どの表情をにじませた。

 55打席目でついに扉を開いた。2点リードの六回2死二塁。島内に対し、初球からフルスイングを見せる。2ストライクからの4球目、外角の154キロ直球に軽く合わせるようにバットを出し、打球は三遊間を破った。

 開幕15試合目に出た今季の初タイムリー。「必死に食らいつきました。手応えは全然ないですが、どんな形でも結果は結果。何でも良かったので、前に飛んでくれて良かった」と正直な思いを吐露したが、節目の通算150打点となった。

 五回先頭でのチャンスメークも価値があった。カウント2-1から遠藤の144キロ直球にヘルメットが飛ぶほど強振。決していい当たりではなかったが、左翼線にポトリと落ちる二塁打に。気合のヘッドスライディングを披露し、その後、坂本の先制右犠飛で本塁に生還した。

 ステップ幅やバットのトップの位置をキャンプ、オープン戦、開幕以降も模索していた。結果の出ない日々が続いたが、この日、遠藤から打った二塁打では右足を2回上げて間合いを取った。島内の打席での適時打では、右足をやや大きく上げつつ軸足の重心を生かして軽打を放つなど、対応に変化を加えた。

 まだまだ納得できない数字だが、3月31日・DeNA戦以来、今季2度目のマルチ安打で打率は・191に上昇。岡田監督は「(打率は)身長くらいか。まあもうちょっと上がってくると思うで。そらきっかけになると思うよ」と期待を寄せる。

 常に堂々とした姿が印象的な佐藤輝だが、当然、結果が出なければ落ち込む時はある。それでも「寝たら忘れるというか、切り替えられるので」という鋼のメンタルは大きな特長。常に前向きに取り組み、後は状態を上げていくことが理想だ。

 DeNAが敗れ、単独首位に躍り出た。聖地からの「テルコール」の大合唱が心に響いている。「この先何回も聞けるように頑張ります。3つ勝ちたいと思います」。“アレ”の実現へ、佐藤輝の完全復活が欠かせない。

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