阪神の高卒新人2投手を佐藤義則氏がチェック 2位・門別に「1軍デビューは早いんじゃないか」

並んで投球練習を行った2位の門別(左)と4位の茨木
 練習前、リラックスした表情の門別(撮影・北村雅宏)
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 「阪神2軍春季キャンプ」(12日、具志川)

 ドラフト2位の門別啓人投手(18)=東海大札幌=と同4位の茨木秀俊投手(18)=帝京長岡=が12日、ブルペンで投球練習を行った。ともに北海道出身のルーキー。北海道出身の大先輩でもあるデイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(68)がネット裏から投球をチェックし、将来性豊かな両投手へ大きな期待を口にした。

  ◇   ◇

 先日、1軍の宜野座キャンプを見ていたら、阪神のコーチをしていた時、一緒に1軍を担当してた葛西スカウトから「ヨシさん、うちの新人2人をちょっと見に来てくださいよ」と声をかけられた。「すごくいい投手なんです。しかもヨシさんと同じ北海道出身ですよ」と言われれば、行くしかない。早速、2軍キャンプ地の具志川に足を運んだ。

 この日はちょうど2人が並んでブルペン入り。葛西スカウトの言葉通り、将来性豊かな投球が見られた。

 門別はすぐにでも実戦で使えそうな球を投げていた。球も強いし、コントロールもいい。普通、高卒新人は球は速くても、ボールがあっちこっち行ったりするものだけど、彼はきっちりとストライクゾーンに投げ込めていた。目を見張ったのは右打者の内角への球。本人も武器というクロスファイヤーをしっかりと投げられていた。

 フォームも変な癖はないしブレもない。とても安定している。体もがっちりしていて出来上がっている。福原コーチに聞くと、守備でもヒジの柔らかさがあるからグラブさばきがいいと話していた。この時期に、これだけの球を投げられるようなら1軍デビューも早いんじゃないかな。左腕という面でもチャンスは多いだろう。

 今年1年はファームで先発ローテに入って経験を積めば、来年には1軍戦力として投げられる投手になる可能性は十分にある。一緒に投球を見た葛西スカウトに思わず「いい投手を取ってきたなぁ」と言ってしまった。将来的には投手陣の柱になっていけるだけのものを持っている。

 4位の茨木は、まだ全力でいうところまではいってない。門別と比べると仕上がりは遅めだし、細かいことをいえば投球フォームもチェックしなくてはいけないところが多いが、全体的にはとてもいいバランスで投げられている。もっと肩ができあがってくれば、力のある投球ができるんじゃないかな。彼も素材的にはとてもいいものを感じる。慌てることなく、しっかりと体作りをしながら成長のステップを踏んでいってほしい。

 門別は門別町(現日高町)出身。茨木は札幌市出身。雪の多い北海道から、やっぱりこうやってプロの世界に入ってきてくれたのは同郷の人間として、とてもうれしいし、頑張ってほしいと思う。北海道で野球をやっている子どもたちの目標になるような選手に育っていってほしいね。

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