阪神・岡田監督 投手陣に「スピン量増強指令」直球の質向上で息の長い選手に

 阪神の岡田彰布監督(64)が28日、秋季練習に参加する若手投手陣を集め、今オフの練習における心構えなどを10分間にわたって訓示した。求めるのは「もうワンランク上へのレベルアップ」。スピンの利いた球を投げる意識を高め、直球の質向上を目指すことを求めた。就任後初めて投手陣へ指令を出した背景には、長い期間、一線級で活躍してほしいという“親心”があった。

 秋季練習第2クールを迎えた甲子園の空気が、ピリッと締まった。全体アップ終了後、外野の左翼付近に投手陣が集められる。輪の中心には岡田監督。安藤、久保田の両投手コーチはもちろんのこと、平田ヘッドコーチの姿もあった。

 指揮官は時折、投球時のリリースのしぐさなどを交えながら、約10分間にわたって熱弁。25日には野手陣を集め、打席での意識などを直接指導したが、今度は若手中心の投手陣に、今オフの練習での心構えを伝えた。

 「真っすぐをもう1回な。試合になったら低め低めにいかなあかんけど、まだこの時期はそんなことをやる必要はない。スピンのあるボールをクロスで投げろっていうことやな。この時期はな」

 オフだからこそ制球を強く意識する必要はない。「右やったら(右打者の)アウトコース高め、左やったら右バッターのベルトか、ベルトのちょこっと上ぐらいがええな」と具体的にブルペン投球での実践方法を示しながら、直球のレベルをワンランク上げることを強く求めた。

 「ストレートの威力をもう一段階上げるというかな、その感覚をつかむというか、そういうことやけどな」。期待するのはスピン量の増強。160キロを出しても棒球では意味がない。145キロの直球を、打者に150キロ以上に体感させることの重要性も説いた。

 その訓示の裏には、少しでも長い期間、活躍してほしいという思いがある。“3年結果を出せば一人前”と言われる世界。実は阪神では近年、3年以上続けて結果を残した投手は少ない。「今年、若いのが頑張ったん多いからな。1年で終わらんと、やっぱりそれを続けていかなアカンから。現状維持よりも、もうワンランク、みんなが上げよういうことやな」とうなずく。

 そのために秋季キャンプでの“ブルペン皆勤”も求める。「そんなん200球投げたかて、次の日がノースローやったらな。50球でもいいから毎日投げろと」。すべては個々のレベルアップのため。『岡田の考え』で充実の投手陣を、より強固なものにしていく。

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