「ヤクルト０－８阪神」（８日、神宮球場）

　阪神・青柳晃洋投手（２８）が９回３安打無失点の好投で今季２度目の完封勝利。自身６連勝で両リーグ単独トップの９勝目を飾り、投手６冠に立った。デイリースポーツ評論家の岡田彰布氏は「状態がいいとは言えない」青柳の投球術を高評価した。

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　青柳は決して状態がいいとは言えない中で、大黒柱としての投球を見せてくれた。

　ここ３試合ぐらいは疲れが見え、スライダーの曲がりが大きいことが気になっていた。今日の投球練習でも左打者の内角スライダーでストライクが入らず、何度も首をひねっていた。試合で使っていたら２、３個は死球を与えていただろう。それぐらい左打者の内角スライダーは荒れていた。

　だが、試合に入ると、初回こそスライダーを投じていたが、二回以降、僅差の間は左打者に内角スライダーを使わずに相手を抑えていった。悪いなりに抑えられていたのは直球に力があったことと、全ての球種を低めに集められたことだろう。

　ヤクルトは塩見も山田も先発から外し、先発野手が中村以外は左打者だった。それも当てて粘るタイプの打者が多かったが、低めへの強い球を投じて力で押し込み、まともなバッティングをさせていなかった。青柳は細かいコントロールがあるとは言えない投手だが、１つ球種が減った中で丁寧に投げて、完封まで結び付けた。

　今季は開幕で出遅れたが、安定した投球を続けている。その理由を感じさせる投球だった。