阪神に希望をもたらす才木の復活 中田良弘氏「藤浪のいい刺激になれば」
「中日0-3阪神」(3日、バンテリンドーム)
阪神・才木浩人投手(23)が3季ぶりの登板で先発勝利を収めた。右ひじ手術から見事に復活する5回5安打5奪三振の無失点投球。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「満点だ」と絶賛し、「藤浪のいい刺激になれば」とチーム内の相乗効果に期待した。
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才木は予想以上のボールを投げていた。立ち上がりから150キロ以上の球を連発していたように、ヒジへの不安を感じさせない腕の振りだった。最速が153キロ。むしろ球速が増していたようにも感じた。
手術後の登板は恐怖との戦いになる。私にも経験があるが、とにかく怖い。またいつピリっとくるか分からないから“患部”をかばいがち。だから徐々にペースアップしていくものだが、この日の才木はいきなり全開で初回から飛ばしていた。
2020年のオフに右ひじを手術(靱帯の再建術など)。その後のリハビリを完璧にこなし、体も作ってきている印象を受けた。高校を卒業してすぐに活躍していたころより大きくなっていたね。
この試合では制球のよさにも感心させられた。四球ゼロは見事ですよ。ブランクをムダにせず、ひと回り成長した姿を見ることができた。この段階なら満点だ。
フォークボールもよく落ちていたし、タテに大きく割れるカーブも有効。でも、真っすぐあっての変化球だからね。今後は二回以降落ちていったスピードをキープしたいところだね。
五回に単打3本で招いたピンチは自力で抑え切ったが、そのあたりでも150キロの球を投げられるようになれば、言うことなし。
この1年半は相当努力したと思うね。私の場合はひざを2回手術し、右肩は血行障害、右ひじは靱帯を痛めて何度もリハビリを経験した。その都度、恐怖を感じたものだ。
痛みへの恐怖と、いつクビになるか分からない自分の境遇への恐怖。才木はまだ若く将来のある選手だけど、その不安と戦ってきたことは容易に想像できる。感慨もひとしおだろうね。
次回以降の登板でも十分期待できる投球内容を示した才木だが、チームにはもうひとり“再起”してほしい選手がいる。それは藤浪だ。
ストレートが魅力の同じようなタイプだけに、この投球がいい刺激になれば。1軍登板も近いと聞くし、ぜひとも続いてほしい。
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