「ソフトバンク０－２阪神」（７日、ペイペイドーム）

　九回２死。野村勇が打ち上げたファウルフライをつかんだ瞬間、阪神・梅野は両手を挙げて勝利を喜んだ。１軍復帰初戦で、４投手を導いての完封勝ち。地元・福岡への凱旋試合でもある一戦を勝利し、最初に口を突いたのは感謝の言葉だった。

　「こうやって早い段階で戻れるように、みなさんがサポートしてくれた。感謝の気持ちを持って臨みました」

　右脇腹の筋挫傷で、出場選手登録を抹消されたのが先月の１８日。万全の状態を取り戻して１軍に帰ってきた。この日は今季初となる西勇とのコンビ。「ずっと組んでいるピッチャーなんで」と、再三のピンチも共同作業で得点を与えなかった。

　一番のポイントに挙げたのが、五回２死二塁で柳田から見逃し三振を奪った場面だ。「ピンと来るものがあって」と２打席連続で決め球に外角いっぱいへのカーブを要求。一発のある強打者への大胆な１球を「西さんもカーブ（のサイン）を待っていたと。勇気を持って、緩い球を投げられたかな」と満足そうに振り返る。

　第１打席では、いきなり復帰後初安打もマークした。「そっちの状態も上げていきながら。チームもさらに上昇していけたら」。まだ自身は打率・１７２。ここから右肩上がりのカーブを描きつつ、攻守でチームを引っ張っていく。