阪神・秋山 意地の完投!甲子園11年ぶり宿敵斬り 七回無死二、三塁で降雨コールド
「阪神4-1巨人」(9日、甲子園球場)
坂本、丸と上位打線から始まる六回をどう抑えようか…。阪神・秋山は自らの打席をすっかり忘れ、必死にイメージを膨らませていた。ウィーラーに一発を浴び、1点差に詰め寄られた直後の五回1死一塁。沈黙の時間が流れる中、大慌てで準備してベンチを飛び出した。
「言わずに墓場まで持っていくつもりだったんですけど(笑)」。打席に入ると集中力を研ぎ澄ませ、戸郷から一発で送りバントを決めた。続く近本が相手を突き放す中前適時打。「とにかく必死でした」と懸命に勝利を目指す背番号46の姿が、流れを呼び込んだ。
入念に戦略を立てたことが奏功したのか、六回の先頭・坂本は112キロのカーブで見逃し三振。丸と岡本和も「オリャー」と雄たけびを上げながら気迫で抑えた。“恵みの雨”により七回無死二、三塁のピンチは消滅。降雨コールドで1カ月ぶりの7勝目を挙げた。
「後がないとかじゃなくて、とにかく意地を見せたろうと思って4日間しっかり練習してきたので。勝てて良かったです」
4日・広島戦では1点のリードを守っていたにもかかわらず、3回2失点で降板を命じられた。悔しさを原動力に変え、この日までの4日間で「体全体を振っていて腕が振れていなかったので。左肩の壁をつくることと、上体を止めて腕を走らせる」と修正。6回0/3を6安打1失点“完投”でG倒に導き、矢野監督は「ボールに気持ちが乗っていた」と目を細めた。
甲子園での伝統の一戦はルーキーイヤーを最後に6連敗中だったが、自身初の中4日登板で11年ぶりの白星をつかんだ秋山。「少しは意地を見せられたと思います」-。昨オフ「巨人戦に当ててもらえるように」と誰よりもこのマウンドを切望していた男は、さまざまな思いを糧に、カード頭を任された責任を果たした。
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