矢野阪神 野村イズムで7連続安打一気5点 恩師追悼試合で大山6番を決断し連敗脱出
「阪神5-3ヤクルト」(29日、甲子園球場)
天国のノムさんにささげる快勝だ。阪神が昨年2月に亡くなった元阪神監督・野村克也氏の追悼試合で、二回2死走者なしから7連打の猛攻で逆転。同氏の教え子の一人である矢野燿大監督(52)が、大山を4番から6番に下げた打線が奏功した。2位・巨人とは2・5ゲーム差のままだが、3連敗をストップ。さあ、再加速や-。
恩師の追悼試合で采配がズバリとはまった。面白いように適時打が続くと、そのたびに甲子園が沸く。1点をリードされて迎えた二回だ。打順を組み替えた打線が、まるで“打ち出の小づち”のように安打を放って7連続安打。5連続適時打でヤクルト先発・田口から一挙に5点を奪って逆転に成功した。
「毎日俺らは結果と戦っているし、そこは無視できるところではない。(大山は)4番に置いてちょっと力んでいるかなというのもあったし、気分転換とか悔しさとか…そういうところが出てきたらいいな、という思いで6番にした」
矢野監督はこの日、得点圏打率・203で、規定打席到達者の中で最下位となっている大山を6番に降格することを決断。代わりに今季初めてサンズに4番を任せた。
その新打線が見事につながったのは、二回2死走者なしからだった。梅野が右前打で口火を切ると、青柳が初球を左前にはじき返して一、二塁。ここから“タイムリーショー”が幕を開けた。
近本、糸原、マルテが適時打を放ち、新4番・サンズが中前打。そして最後は佐藤輝が右前への会心の当たりを放って締めた。「ジェリー(サンズ)が打ってくれたのはプラス」。打順変更が功を奏しての5連続適時打を、指揮官は満足そうに振り返った。
この日は昨年2月に亡くなった野村克也氏の追悼試合として開催。試合前のセレモニーで流された在りし日の映像を真剣な表情で見つめていた矢野監督は「出会っていなければ、現役時代に3割打つとか、20年間やることもなかった。教えを何かしら伝えていきながら、しっかりやっていければという思いで戦った」と明かす。
天国のノムさんにささげる勝利で、70試合を消化して43勝。前回リーグ制覇した05年の39勝を上回る、球団歴代3位タイのペースで勝ち星を積み重ねている。「これでホッとすることなく、オリンピックまでの間、もう一回タイガースの戦いをやっていきます」。2位・巨人とは2・5ゲーム差のまま。16年ぶりの歓喜へ向けて、矢野阪神が再び勢いを加速していく。
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