阪神・中野、オレが遊撃後継者!憧れ鳥谷の前で値千金2打点「いいプレー見て」

 「阪神3-2ロッテ」(26日、甲子園球場)

 鳥谷さん、お任せください-。阪神のドラフト6位・中野拓夢内野手(24)=三菱自動車岡崎=が、貴重な追加点となる適時二塁打を含む1安打2打点。長年、阪神の遊撃を守った憧れの“先輩”の前で躍動した。逆転負けを喫した前夜の悪夢を振り払う交流戦初勝利。3、4月に続いて、5月の月間勝ち越しを決めた。

 中野にとって、夢にまで見た最高のシチュエーションだった。2点リードの九回。大甲子園が沸き上がる中、憧れの鳥谷が先頭で打席に入った。まさか…。打球は自身の前で高く弾む遊ゴロ。素早くチャージし、ランニングスローで背番号00の出塁を阻止した。

 祖父が熱狂的な阪神ファンで、父も虎党。関西から遠い山形県で生まれ育った中野だが、代々受け継がれる“DNA”で自然と縦じまに染まった。

 中学時から鳥谷一筋で、東北福祉大ではスラッガー社の「鳥谷モデル」のグラブを使用。そんな「憧れの存在」と話すレジェンドが目の前にいる。前夜に続き、この日も特別な感情を持って戦った。

 「いいプレーをすることによって覚えてもらえると思うので」

 近本が先制の適時二塁打を放ち、なお続く三回1死三塁。「食らいついていきました」と岩下から左犠飛をマークし、貴重な2点目をたたき出した。

 五回2死三塁ではバットを折られながらも右翼線に運び、打球に向かうマーティンの動きを見て一気に二塁へ。「チャンスを生かしたい」という熱い思いが、積極走塁での適時二塁打となった。

 前日も2安打1盗塁と躍動。糸原が下肢のコンディショニング不良で離脱してから2番を担い、矢野監督も「技術的にはしっかり通用する」と評価する。

 ただ、遊撃の守備では二回にレアードが自身の後方に打ち上げた飛球を左翼・サンズとお見合い(記録は左前打)。指揮官が「ちょっとお粗末」と苦言を呈するプレーに、中野も「打ち取った打球をしっかりアウトにできるようにしたい」と気を引き締めた。現在リーグワーストの6失策。守備は磨いていかなければいけない部分だ。

 長らく鳥谷が守り続けた阪神の遊撃。だが、絶対的な後継者はまだいない。「明日も見てもらえる機会があるので、いいプレーを見てもらいたいと思います」。憧れの人に走攻守を通じて伝える。僕が後を受け継ぎ、新時代を切り開きます-。

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