「阪神７－５ＤｅＮＡ」（２５日、甲子園球場）

　虎党の視線を全身に浴びた試合後のヒーローインタビュー。阪神・サンズは日本語で「マイド、オオキニ」と感謝を述べ、スタンドに向かって丁寧に頭を下げた。シーソーゲームに終止符を打つ決勝７号２ラン。応援を力に変え、殊勲弾が生まれた。

　大山が同点犠飛を放った直後の七回２死三塁。平田の１４６キロ直球をバットの芯に乗せると、打球はバックスクリーンに突き刺さった。「あれだけお客さんが盛り上がってくれる中で走るダイヤモンドは、本当に最高の気分です」。聖地に大きな拍手が響き渡った。

　一塁ベンチに戻ると、親指と人さし指で「指ハートマーク」を作り、“ハッピーハンズバージョン２”で仲間たちと喜びを共有。助っ人は「チームが好きなので」と少し照れながらも盛り上げ役に徹した。２０日・巨人戦以来の一撃。今年新設された「ＤＡＺＮバックスクリーンホームラン賞」の賞金１００万円もゲットし、二重の喜びに浸った。

　同点の五回２死一、二塁ではエスコバーの直球を高々と打ち上げたが、一塁・田中俊が落球。一時勝ち越しとなる得点を生み出した。勝負強さに、幸運も兼ね備えた恐怖の５番だ。

　一方で、心優しい５番でもある。以前から親交があるロハスと同じマンションに住んでいることもあり、少し言葉を交わしたという。サポート役にも前向きな背番号５２は「（２軍戦で）しっかり打っていると聞いたので、頑張ってもらいたいです」と共闘を心待ちにしている。

　“神話”も継続された。サンズが一発を打てば昨年９月４日・巨人戦以降、引き分けを挟んで１０連勝。「今日は全体的にみんないい仕事ができていたと思います」。リーグ単独トップの２０打点をマークしている怪力助っ人が、首位を走る虎を支えている。