阪神・近本光司外野手（２６）が兵庫・社高時代の恩師と新春対談。元社高野球部監督・橋本智稔氏（５３）＝現兵庫県立農業高教頭＝と高校時代の話などで盛り上がった。取材構成を務めた井上慎也記者（２８）も、社高野球部時代に橋本氏の指導を受けた一人。デイリースポーツでしか読むことのできない“同窓”３人の濃厚トークを、たっぷりとお楽しみください。

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　－プロ野球選手と取材記者共通の恩師を迎えての対談です。

　橋本氏（以下橋本）「こういうのは初めてですね」

　近本外野手（以下近本）「あんまりないですよね」

　井上記者（以下井上）「まさか、こういうことができるとは思っていませんでした。昨シーズンを振り返って、橋本先生は近本の活躍ぶりをどう見ていましたか」

　橋本「よく巻き返したよね。結果が出てこないと、気持ちがどうしても落ちてしまうと思う。２年目というのは周りからもいろいろと言われるからね。自分では思っていなくても、周りから『２年目のジンクス』とか言われるとそうかなと思ってしまう部分があって。そこから巻き返していったというのは強いなと思ったね」

　近本「そういう２年目のジンクスというのを書くのが、井上さんの仕事じゃないですか。でも、あまり気にはしなかったです。自分のプレーをどうにかしようとしか考えていなかったので」

　井上「昨年は新型コロナウイルスの影響で、直接話を聞ける機会がほとんどなかったから想像でしかないけど、悩んでいるように見えた」

　近本「悩んでいましたよ。『なんで打てないんやろな』って思っていました。それよりもチームが勝てていなかったので、そっちのほうが大きかったですね」

　橋本「打つ方だけではなくて、シーズン中に足の故障があったようで、少ししんどいのかなという部分を感じていた。その中でも盗塁王を獲るという結果を残したというのは、本当にすごいことだと思うよ」

今は優勝しかない

　井上「プロ野球選手になった今、何を目標に過ごしているの」

　近本「今は優勝しかないですね。２年間、目標として盗塁王と言っていたんですけど…。その先に優勝があるものと思っていたら、そうではなかったので。やっぱり優勝、勝つためにやることって、個人のタイトルではなくてチームの貢献とかだと思うので。やっぱり目指すところは優勝しかないと思います」

　井上「個人記録は二の次になってくるのかな」

　近本「やっぱり野球ってどれだけ点を取るかだと思うので。僕の中でずっと思っているのが、１００得点。得点と打点が全てだと思っている。その２つが勝利につながることだと思うので、どれだけ出塁率が高くても得点が低かったら点にはつながらないじゃないですか。個人の成績でいえば、１００得点。やっぱり自分の力だけでは点は取れない。得点につながる影響を与えられるような走塁とかはやっていきたいと思います」