【岡義朗氏の眼】阪神、最後まで熱を失うな
「巨人7-6阪神」(16日、東京ドーム)
1点差までよく追い上げたと見るか、もったいない敗戦と見るか。私はもったいないと感じた。阪神は七回までは0-7という試合展開。自力優勝の可能性消滅で、目標を見失ったような戦い方に見えた。目の前の1点を大事にしていれば、追いつけていたかもしれない。
例えば初回に1番・近本が出塁した場面だ。2番・梅野は犠打ではなくヒッティングに出て二直。近本が盗塁を仕掛けることもなかった。緊迫した優勝争いのような試合なら、バントで送ったのではないだろうか。
その裏には巨人も1番・松原が出塁。次打者の吉川尚も梅野と同じく送りバントをしなかったが、一走・松原は二盗を決めて好機を広げた。青柳はけん制球を入れず、あっさり走らせてしまった。初回は両チームとも無得点に終わったが、攻撃姿勢は対照的だった。
多くの選手がCSのないシーズンを経験したことがない。残り試合の戦い方は難しく感じるだろうが、とにかく最後まで熱を失わないこと。この試合のような予想外の追い上げもありうる。ペナントレースも同じだ。