矢野阪神また拙守でミスミスドロー 5割復帰スルリ…エラー&ワイルドピッチで同点許す

 8回の2失策で白星を逃し、スタンドにあいさつする矢野監督
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 「阪神2-2広島」(16日、京セラドーム大阪)

 勝率5割復帰を“ミスミス”逃した。阪神は2-1で迎えた八回、野手の失策とバッテリーエラーで同点とされた。矢野燿大監督(51)は、無失点の秋山を5回82球で交代させる積極的な継投策に出ていたが奏功せず。チームの課題である拙守が要因で勝ち切れなかった。18日からは開幕カード以来となる敵地での巨人3連戦。今シーズンの踏ん張りどころだ。

 負けなかったことはプラスに捉えたい。だが、その事実以上に後味が悪い引き分けだった。1イニングに二つのミスが絡み、同点を許した八回。悲鳴が響く中、矢野監督はベンチで表情を失った。

 「うーん、まあ複雑やね」

 さらに報道陣から「八回は少し悔しい点の取られ方だったのでは」と問われると、声のトーンを落とした。

 「少しじゃないよ」。丁寧に対応する指揮官が、短い言葉で返答。それほど消化しきれない展開だった。

 自滅に近い形だった。1点リードの八回1死二塁。岩崎は長野を一、二塁間寄りのゴロに打ち取った。しかし、平凡なゴロをこの回から二塁に入った植田がはじく失策。1死一、三塁としてしまった。

 悪循環は続く。2死二、三塁。松山への2球目、外角スライダーが暴投となり、同点とされた。矢野監督は「野球というスポーツではあることなのでね」と選手を責めることはなかったが、看過できる展開ではなかった。

 積極的な継投で勝利をつかみにいっていた。先発・秋山は5回4安打無失点で82球だったが、五回無死で打席が回ってきた場面で代打を起用。皮肉にもここから誤算が積み重なってしまう。

 六回からはガンケルを投入。中継ぎ転向後は8試合連続無失点だった助っ人が、六回1死から連打を浴びて失点。1点差とされた。

 打線は二回以降、得点を奪えず、投手陣にプレッシャーがかかる展開に。それでも早めの継投策を採ったため、1点差の八回に左肘の張りから復帰登板となる岩崎を送り込まざるを得なくなった。

 勝率5割復帰を逃しただけではなく、チームとしての課題も露呈した。初回1死一塁は今季初先発した二塁・熊谷が失策。48試合目にして、12球団ワーストの37失策とミスの連鎖が続いている。

 18日からは5・5ゲーム差の首位・巨人との3連戦。開幕3連敗を喫して以来の東京ドームでの「伝統の一戦」は、シーズン中盤の正念場となる。

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