阪神・西勇「次に生かす」無援121球 7回1失点も孤軍奮闘、防御率1・87

 7回、井領に先制内野安打を打たれ、ぼう然とする西勇
3枚

 「中日1-0阪神」(25日、ナゴヤドーム)

 エースの孤軍奮闘の121球は白星で報われなかった。阪神の西勇輝投手(29)は先発で7回1失点と粘りの投球を見せたが、打線の援護に恵まれず2敗目を喫した。チームは2017年以来となる中日戦5連勝を逃し、再び勝率5割に逆戻りした。ここが矢野阪神の踏ん張りどころだ。きょう26日はきっちり竜倒し、カード勝ち越しを決める。

 試合後、あふれる悔しさが胸を締めた。7回1失点の粘投。先発の仕事は果たした。それでも、西勇は「そこじゃない」と一言。チームを勝利に導く、エースの仕事ができなかった。「少し待ってください」と数秒の沈黙後、気持ちを落ち着かせてから口を開いた。

 「チームとして、あの1点を防ぎたかった。反省しないといけない」。惜しむように振り返ったのは、七回のマウンド。福田に中前打を浴びた。初球を狙われての痛打に「先頭を出したのはそうですけど、うーん…」と再び沈黙。脳裏に浮かぶシーンに悔しさが募る。

 犠打で送られて1死二塁。代打・高橋は二ゴロに抑えたが、2死三塁から井領との対戦だった。カウント3-1からの4球目。内を突くスライダーで詰まらせた。だが、打ち取った打球が災いし、遊撃左にボテボテのゴロが転がる。間一髪の内野安打となったことで、均衡を破る1点を失った。

 「ボール自体は悪くなかったけど、打たれた結果で考えないといけない。次、同じミスをしないように」

 試合は息詰まる投手戦。途中からは「1点勝負になる」と腹をくくった。六回、大島、阿部の連打で無死一、三塁を背負った。続く打席に4番のビシエド。絶体絶命のピンチを背負うと、1点勝負の内野は前進守備を敷いた。1ストライク後、タイムを取って福原投手コーチがマウンドへ。西勇の意思を確認して二遊間を下げた。

 1点OKの守備隊形は、野手に向けた信頼の証し。結果的にこの決断が奏功し、ビシエドを浅い左飛、A・マルティネスを空振り三振、京田を一ゴロに抑えて無失点で切り抜けた。エースとしてナインを鼓舞する熱投にも「そこは全然」とし、再び七回の失点を悔やむ。121球の惜敗に意味を見い出そうとした。

 「これは、なかなかできない反省。次に生かしていけたら」

 矢野監督は敗戦を語る西勇に歩み寄り、「ナイスピッチングやった」と肩をたたき、ねぎらった。「十分。ゼロじゃ勝てないんでね」。前回は125球の完投勝利だった。この日も含めて開幕から登板6戦、全てクオリティースタート。防御率1・87と安定感が光る。「しっかり受け止めて、次の試合で投げられたら」と西勇。反省を糧に、経験を力に変え、エース道を駆ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス