阪神・福留 “開幕戦”大暴れ!セ最年長42歳が猛打ショー 井上コーチも最敬礼
「練習試合、ヤクルト7-2阪神」(20日、神宮球場)
プロ野球は20日、当初予定された“開幕日”を迎えた。各地で無観客の練習試合が4試合行われ、阪神はヤクルトと対戦。福留孝介外野手(42)が3打数3安打と“開幕ダッシュ”を決めた。公式戦であれば、セ・リーグ最年長42歳10カ月での開幕戦猛打賞。新型コロナウイルス感染拡大防止のために開幕が延期されたが、今年も虎のベテランは頼りになりそうだ。
気温20度。春のポカポカ陽気に誘われるように、大ベテランが躍動した。今年も巧みなバットコントロールは健在。来月26日に43歳となる福留が“幻の開幕戦”で大暴れだ。
まずは二回1死から清水の146キロを逆らわずに中堅左へはじき返すと、好走塁で二塁に到達した。四回は杉山の足元を抜けるお手本のようなセンター返し。七回は左腕・中尾の変化球を引っ張り右前で弾ませた。
「3安打?そういう日もあるんじゃないですか」。試合後はサラリと振り返ったが、特別な覚悟を持って「3・20」を迎えていた。
「自分の中で“今日が開幕”という気持ちだった。なかなか先が見えない中で、メリハリをつけていかないと難しいところもあるけど、そういうつもりで来て、こうやってできたのは良かったです」
公式戦であれば開幕戦の猛打賞は2012年ヤクルト・宮本の41歳4カ月を抜いて、セ・リーグ最年長記録となるはずだった。開幕延期となる中、偉業達成こそお預けとなったが、節目の一戦で、改めて勝負強さを証明した。
井上打撃コーチも最敬礼だ。オープン戦は8試合出場で16打数2安打、打率・125、0本塁打0打点。低空飛行から上昇した姿に「5安打のうちの3本でしょ。やっぱり孝介にも頼らなアカンというね。シーズンに入ったら、老若持ちつ持たれつでやっていかなきゃいけないというのが証明されたというか」と地力を再確認した。
福留は試合前から元気いっぱいだった。打撃練習では連続ティーを敢行。筒井外野守備走塁コーチが「コースケ、若いなー!」と驚くほどの練習量だ。18日に甲子園で行われた全体練習では“サーキットトレ”に挑戦。不透明な開幕に向けて、体をいじめ抜いている。
「やることは変わらないというか、しっかりと準備をして、調整して、自分のできることをやっていきたい」
今季はサンズらとポジションを争う立場だが、唯一無二の存在感は何よりも尊い。プロ22年目も開幕スタメンは譲らない。