矢野監督「ファンに申し訳ない」9戦9通り打線もセ界ワースト10度目零敗

 「阪神0-6DeNA」(25日、甲子園球場)

 しかし打てん…阪神は今季10度目の完封負けを喫し、DeNAに連敗。故障者の復帰があったとはいえ、直近9試合で野手が9通りのパターンで起用されるなど、打線を固定できない苦しい状況が続いている。矢野燿大監督(50)は「ファンに申し訳ない」と肩を落とした。26日からは打者有利の東京ドームで首位・巨人との3連戦。何かきっかけをつかんでくれ!!

 一人、また一人…。2点ビハインドの九回に決定的な4点を奪われると、多くのファンが席を立った。日替わりオーダーも不発。今永の前にわずか散発4安打で、リーグワーストとなる今季10度目の完封負けを喫した。

 矢野監督の表情もさすがに険しかった。「(今永は)絶好調ではないと思うけど。(得点が)ゼロっていうのはね。これだけファンの人が入ってくれて、点を取るというのは見せていきたかった」。スタンドを埋めた4万4886人のファンに対してざんげした。

 24日・DeNA戦は、左腕・浜口に対して先発野手5人が右打者だった。この日の先発も左腕・今永だったが、一転して福留と鳥谷を2試合ぶりのスタメンに戻した。23日・DeNA戦でともにマルチ安打を記録した両ベテランに加え、上本も10日・巨人戦以来となる先発で起用した。

 10日・巨人戦から9試合連続のオーダー変更。「疲れてきている選手はもちろんいるし、調子が落ちてる選手もいるんでね。そういう中で、自分がこれがいいというものをトータル的にチョイスしているつもりだけど」。得点力不足解消に向けて最善を模索したが、またしても指揮官の思惑とはかけ離れた惨劇が繰り返された。

 得点圏に走者が進んだのは二回と五回のみ。六回以降はファンが大きく盛り上がる場面もなく、淡々とした攻撃が繰り返された。

 「状況的には苦しい」と複雑な心境を口にした指揮官。それでも下は向かない。「苦しいけど、前を向いてやっていくしかないんで」と力を込めた。

 26日からは首位・巨人との3連戦。26日に敗れれば、再び自力優勝の可能性が消滅する一戦に、新助っ人のソラーテを緊急昇格させて挑む。CS争いの圏内から落ちないためにも、まさに正念場。矢野阪神の真価が問われる状況となってきた。 

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