矢野阪神ミラクル12点 85年V吉兆出た聖地初星「忘れられない1勝になりそう」

 8回、逆転しベンチで大喜びする矢野監督
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 「阪神12-8DeNA」(9日、甲子園球場)

 格別の“甲子園初勝利”に、その顔はやや上気していた。笑顔をかみ殺すような表情でインタビュールームに現れた阪神の矢野燿大監督(50)の第一声は「あ~疲れた」。そして、去り際の一言も「あ~しんどかった」。2003年のリーグ優勝インタビューで、星野監督が発した第一声と同じ言葉が自然と口を突いた。

 今季初となる甲子園での一戦。勝てば星は五分、負ければ借金2。勝つと負けるとでは大違いの“開幕戦”だった。5点のビハインドの展開で七回に3点、八回に6点を奪って一気にひっくり返す逆転劇。監督としての聖地初勝利を「忘れられない1勝になりそう」と表現した。

 「ファンを喜ばせる」。掲げていた通りの野球を体現する勝利に喜びがあふれる。

 「完全に流れが向こうに行っている中でね。本当にみんながそういう気持ちを持っていたことが、こういうふうな結果につながったんでね」

 開幕から8試合連続3得点以下の球団ワースト記録と苦しんだ打線の爆発がうれしい。「バッター陣が本当によく頑張ってくれた」。そして昨季、21勝39敗2分けと大きく負け越していた甲子園での初戦をこの上ない形で勝利したことで勢いが付く。

 「去年のことも選手だってどこかで分かっているし、俺らも何とか払しょくしたい、変えたいって思って臨んでいた。週初めの6連戦の頭、DeNAとの初対戦、5割復帰…この1勝は大きいね」

 のちのち今年を振り返る中で分岐点となるかもしれない一戦。「今日はいっぱい喜んだんでね。明日も、もっともっと喜べるような試合ができるように。チームみんなで頑張っていきます」。ここから勢いに乗って14年ぶりのVへと突き進んでいく。

▼1985年の甲子園初戦…4月16日の巨人1回戦は0-2の四回裏、掛布の本塁打で1点差とすると、2死走者なしから岡田が四球。続く佐野の遊飛を河埜が落球し、一塁から岡田が生還。同点後に平田の適時打、木戸と真弓の2ランで、この回一挙7点を奪い逆転。試合は10-2で大勝した。翌17日の2回戦は伝説の“バックスクリーン3連発”が飛び出し、6-5で勝利。18日3回戦は11-4で大勝。この年、阪神は21年ぶりのリーグ制覇と初の日本一に輝いた。

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