梅ちゃん劇場!えぇ~痛恨空タッチ…からのミス帳消し追撃3ラン4打点

 「阪神6-5中日」(4日、甲子園球場)

 勝者のはずが笑みはなく、試合後は反省の言葉を並べた。「自分のミス」が誘発した序盤の失点に、藤浪に勝利を届けることができなかったリード。阪神・梅野隆太郎捕手(27)は激しく悔いた。だが4号3ランに、ヘッドスライディングで奪った6点目。最後は捨て身のプレーが、1点差勝利の命運を分けた。

 二回2死一、二塁。松井雅の打球が二遊間を抜けた。二走・ビシエドは三塁を回ったが、中堅・中谷もホームに好返球。ベース手前で楽々アウトのタイミングだ。梅野もタッチを試みたが、走者がかいくぐり、左手でベースに触れた。一度はアウトの判定も、リクエスト後に覆った。

 「余裕があった分、手にタッチにいったら入れられた。初めてのことなので、次回からはないようにしたい」

 悔いを残す形の失点に、奮い立ったのは四回だ。2死一、二塁で巡った打席。1-1からの3球目、大野雄の146キロを強振した。「今季、これ以上ないと思うくらい、返してやろうという強い気持ちだった」。6月27日のDeNA戦以来で、甲子園では14年7月8日の広島戦以来、実に4年ぶり2本目となった。

 八回には勝ち越し後、2死三塁での打席。二塁前のゴロで一塁に飛び込む。内野安打でプロ初の1試合4打点だ。「先発にリードで迷惑を掛けている。本当はロースコアで勝ちたい」。謝罪の気持ちをバットに乗せた。1点差に迫られた九回、2死二、三塁。一打逆転の場面でドリスに3球続けてフォークを要求する。ワンバウンドを懸命に止め、最後は空振り三振に抑えた。

 殊勲のお立ち台。最後は“異例”の要望だ。「今まで晋太郎が内角に投げられなかったが、今日は3球もしっかり投げた。成長が見せられた試合。応援してもらえれば、もっともっと期待に応えられる」。バッテリーで勝利を導き、チームを支えていく。ファンに向けた確かな決意表明だ。

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