【狩野目線】若虎よ“心の整理”と“踏ん切り”重要だ OP戦結果悪く考えない

 昨季限りで現役を引退し、今年からデイリースポーツ評論家となった元阪神・狩野恵輔氏が、独自の視点からチーム、そしてプレーを分析する新企画「狩野目線」。第1回はオープン戦最下位となった阪神の現状を踏まえ、開幕へ向けてどう立て直していくかについて。自身の経験から、結果が出ていない若手選手は“心の整理”と“気持ちの踏ん切り”が重要と説いた。

  ◇  ◇

 オープン戦が終了し、これからチームは開幕へと向かっていきますが、なかなか成績が出ていないと選手は不安になる部分もあります。もちろん首脳陣も結果を出してほしいという気持ちもあったかと思います。

 ただ話を聞くと3月に入って、調整を優先してもおかしくない中、オープン戦の終盤まで練習量を落とさなかったと聞いています。練習、練習で自分を追い込んで追い込んで、なおかつ結果を出すことは若手選手にとってすごく難しい。

 ベテランや主力と呼ばれる選手はある程度、自分の体力とも相談しながら調整の仕方を知っている。でも若い選手は1から10まですべて消化した上で結果を残さないといけない。気持ちの面でもしんどいし、体が休まる時間もない。きっと今、若手選手は不安だらけだと思いますが、どう心に踏ん切りをつけれるかが大事になってきます。

 自分も初めて開幕マスクを任された2009年は、キャンプ中にイップスを発症しました。ボールが投げられなくなって、そこからは野球をプレーしているという感覚が一切、なかった。自分のスローイングで精一杯になって、これを治すにはどうしたらいいのか。試合の流れがどうこうより、これを治すためにどうしたらいいかしか考えていなかった。

 でも逆にそれがよかったのかもしれないと今は思います。開幕マスクで行くぞと言われて、もう一度、野球をするという気持ちに切り替わった。それまで自分のことで精一杯だったからこそ打席では冷静にボールを見られた。スローイングも不安があったけど、開幕カードで盗塁を刺せた。

 だからオープン戦の結果を悪いように考えないことが大事。選手は悪い方に考えれば、いくらでも悪いイメージが生まれてくるもの。自分もそうだったけど、開幕前はプラス、プラスに考えていくことがすごく大事。開幕までの期間でどれだけ心を整理できるかが重要だと思います。

 これまで練習、練習で1年間戦うための技術と体力を養ってきた。それは監督、コーチ、選手自身も開幕してからが勝負と考えていたからだと思います。ここから4日間で飛躍的に技術が向上するということはまず、あり得ない。どれだけ“行けるぞ”という気持ちにできるか。これで行くという気持ちに踏ん切りをつけられるかだと思います。

 なかなか結果が出ないと不安にもなります。2009年は自分も不安すぎて気持ちが悪くなるほどでした。緊張もしますしね。だから若手選手には気持ちの踏ん切りをつけて、心の整理をして開幕の舞台に臨んでほしいと思います。

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