大山トドメ打!あと少しで満弾…フェンス直撃 “浜ちゃんの教え”生きた
「巨人4-8阪神」(26日、東京ドーム)
途中出場で迎えた第1打席は、何かが起こりそうな予感がした。八回、リードは3点。1死満塁のビッグチャンスに、阪神・大山悠輔内野手(22)が気持ちよくバットを振り抜いた。打球は左翼フェンスを直撃。もう少しで満塁弾という当たりで、スタンドの虎党を盛り上げた。
七回に代走として途中出場すると、見せ場が八回に待っていた。塁は全て埋まり、観衆が見つめる先には、背番号3。沈黙するオレンジの右翼スタンド。大声援を送る黄色の左翼スタンド。緊迫する場面で白球を捉えた。
「追加点が欲しかったので、最低でも外野フライと思っていた。チームにとっても大きかったので、よかったです」
カウント2-1から4球目を強振すると、左翼を大飛球が襲った。巨人左翼の石川がジャンプしたが、思いのこもった打球はフェンスを直撃。走者2人が生還し、貴重な追加点を挙げた。
飛躍の裏には、ある教えがあった。「初球を何でもいいから振りなさい」。2軍にいたころ、二人三脚で歩んだ浜中2軍打撃コーチの言葉だ。緊張感で押しつぶされそうな打席の中で、初球を思い切り振れれば気持ちも楽になるし、周りのことも見えるようになるから-。
成長曲線をたどる23歳。「一振りで決めたというか、初対戦の相手だったので初球を振れたことで、タイミングがとれました」。初めは初球を見逃すことが多かった。それでも今は、自らの意思を持って教えを守っている。最低限でも結果を出すためにどうすればいいのか。常に考え「タイミングの合わないボールを振ったこともあるので、しっかり準備していきたい」とさらなる高みを目指す。緊張をほぐすための初球振りから、さらにその先へ。若き力が今、階段をまた一つ上がろうとしている。
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