大山神話や ドラ1の苦悩乗り越え覚醒! 打点挙げれば8戦8勝

 「中日1-8阪神」(19日、ナゴヤドーム)

 さすがは虎のドラ1ルーキーや!阪神は大山悠輔内野手(22)が0-1の二回、同点タイムリーを放つなど2安打2打点。5打点の18日に続き、2日合計7打点の大活躍だ。これで今季、大山が打点を挙げた試合は8戦8勝と不敗神話も継続した。打線は2試合連続の2桁12安打で8点を奪い、チームは3連勝。熱い戦いはここからや!

 解き放たれた。勝負強いルーキーの一打。「ランナーをかえせてよかった」。2安打2打点。その結果に大山が安どの表情を見せる。これで打点を挙げた試合は8戦8勝。この日もチームを勝利へといざなった。

 リードされても、すぐさま同点とした。1点を先制された直後の二回。1死一、二塁で、第1打席を迎えた。1球目のチェンジアップにタイミングが合わず、空振り。それでも気持ちを切り替えた。続く2球目、外角の直球を鋭いスイングで中前へはじき返し、二走・中谷をホームへ迎え入れた。

 「(1球目の空振りを)引きずらずに、次のボールを待てたので、ここは継続してやっていきたい」

 同点打だけでは終わらない。6-1の八回。連打で作った、無死一、三塁の好機。今度はスライダーを中前へはじき返し、この日2打点目をマークした。

 この日は、主砲のロジャースが休養で欠場。代わって「7番・一塁」で起用されたが、役割を見事に果たした。「数字を見てもヒットの本数と打点の割合がね。得点圏でよく打っている」と評価するのは金本監督だ。

 1年目の今季、出場は40試合にとどまるが19打点をマーク。5打点と大爆発した18日に続く2打点で、得点圏打率は・391。目覚ましい成長に、指揮官も目を細めた。

 苦悩があった。「休日返上も、練習アピールみたいになるから嫌なんですよ」。思わず漏れたのは、どうしても注目の的になってしまうドラ1の本音だった。6月18日に1軍初昇格を果たしたが、8打席無安打。休日の月曜に鳴尾浜の室内練習場でバットを振り込んだ後、頭にタオルをかぶって報道陣を避けるように寮に戻った。

 誰かに認めてもらいたかったわけではない。そっとしておいてほしかった。「ただチームの勝利に貢献したいから。打ててなかったし、それだけなのに…」。新人ならではの葛藤や苦悩を乗り越えて、今がある。

 「チームの役に立てるようにやっていきたい」。チームを思い、チームのために励む。首位広島を追いかける猛虎打線で、大山が不可欠なピースになりつつある。

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