ゴメス、ウル虎V弾 甲子園での連敗7で止め「六甲おろし」大合唱

 「阪神5-3ヤクルト」(26日、甲子園球場)

 真っ黄色にスタンドが埋まった「ウル虎の夏2016」初戦で劇的な逆転勝利を収め、甲子園の連敗を7でストップした。その立役者は、マウロ・ゴメス内野手(31)だ。3-3で迎えた八回、1死一塁からバックスクリーン左へ勝ち越しの15号2ラン。主砲の一振りで勝負を決め、久しぶりに勝利を祝う六甲おろしが甲子園で響き渡った。

 ウルトライエローに染まった甲子園が、六甲おろしの大合唱に包まれた。夏休みで聖地に足を運んだ多くの子どもたちも、声をからしながら大声で歌った。6月28日・DeNA戦以来となる本拠地での勝利。殊勲者は、ゴメスだ。不振に苦しむ助っ人のバットが、決勝点をたたき出した。

 「同点の場面で、チームの勝利に貢献できる一打を打てて良かった。ファンの方に喜んでもらえて良かった」

 3-3の八回1死一塁。2番手・ルーキの148キロ直球をフルスイングで捉え、打球はバックスクリーン左に着弾した。7日・巨人戦(東京ドーム)以来、甲子園では5月18日・中日戦以来の15号2ラン。万雷の拍手が降り注ぐダイヤモンドを、余韻に浸るかのようにゆっくりと、かみしめるように走った。

 「本当に気持ち良かった。しばらく甲子園で本塁打が出てなくて、今も調子は良くないけど、毎試合ベストを尽くしてやっている」

 四回1死二、三塁では、詰まりながらも右前へ落とす適時打を放った。この日は3打点の活躍だ。しかし、昨年までの主砲の椅子には現在、福留が座っている。92試合に出場して打率・255。首脳陣は寄り添い、助言を送り続ける。この日の試合前練習では、高代ヘッドコーチが付きっきりでアドバイスを送っていた。「助けてもらっているので」。なんとか報いたかった。

 だから、絶対に腐らない。来日3年目、日本の心が全身に根付いてきている。きっかけをくれたのは、阪神で4度のベストナインに輝いたマートンだ。「周りの人をリスペクトすること。そして、努力を怠らないこと」。この日、八回の守備では西浦の打球を拙守(記録は内野安打)してしまった。まだまだ、泥にまみれないといけない。

 「今もたまにメールしたりしてるよ。彼も向こうで頑張っているから、僕も頑張らないとね」。尊敬する先輩は昨年阪神を退団し、今季から再びアメリカで奮闘している。ゴメスの原動力の一つだ。

 金本監督は「マツダの3戦目(24日)で逆転して、きょうはなんとか諦めず、2戦連続で逆転勝ちして…。これは大きいですね」と力を込めた。鳥谷をスタメンから外す苦渋の決断をしてから、連勝。甲子園では7連敗と苦杯をなめ続けていたが、約1カ月ぶりに本拠地のファンへ勝利を届けることができた。

 「いいぞ、いいぞ、ゴメス!」。試合終了後、30分以上たっても右翼席の虎党は帰路につこうとしなかった。最下位に沈むチームを、全力で応援してくれるファンがいる。残り49試合、魂のこもった野球を見せてほしい。

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