福留2000安打へM2 日本通算1500安打
「交流戦、阪神2-0オリックス」(20日、甲子園球場)
快挙達成へ、一気にペースアップした。阪神の4番・福留が2打数2安打をマーク。交流戦での達成こそ逃したが、日米通算2000安打まで残り2本とした。
「チャンスが残っていたからできれば良かったけど、ゲームの流れもあるし、僕のことよりチームが勝つことの方が大切だから」
予感は漂っていた。二回先頭。西の146キロ直球を捉えて右中間を真っ二つに割ると、四回1死一塁ではチェンジアップを右前へ運んで、チャンスを広げた。これが日本通算1500本目の安打。「別に…特に何もありません」。試合後はあっさりと振り返ったが、記念の花束を受け取るとスタンド、ベンチへ掲げて感謝した。
2打席目までに2本の快音。カウントダウンの期待が膨らんでいただけに、失望も大きかった。0-0の六回1死二塁の先制機で打席に立つと、オリックスバッテリーは敬遠を選択。偉業達成の瞬間が遠のき、ファンは大ブーイングだ。結局、八回の第4打席も冷静に見極め、ストレートの四球。リーグ再開後に持ち越された。
「こうやって1本、1本で喜んでくれるので僕もすごくうれしいし、ここで何とかしたかったけど…僕が持ってないということです(笑)」
本気で聖地達成を狙っていた。雨で試合開催が危ぶまれた19日。室内練習場へ続く通路に入るなり「今日はナイターでもやるぞ!!」と声を張り上げた。外に出て、雨模様をチェックすると、「結構降っとるな」と心配顔。本番ではきっちり1安打を放ってみせた。
子どもたちの激励に奮い立った。その夜、自宅に帰ると、長男・颯一くん、長女・桜楓ちゃんから父の日にプレゼントを贈られた。「手紙をもらったよ。幼稚園で手作りしたみたい」。丁寧につづられた文字を見ると自然とほほがほころぶ。2000安打の重圧からも解き放たれた。
「勝ったとはいえ、まだまだ流れは良くない。もう一度、選手全員で気持ちを切り替えて、リーグ再開に向かっていきたい」
福留はナインを鼓舞するように、気持ちを引き締めた。快挙達成まで残り2本。首位広島に勝って決める。