背水の鳥谷逆襲弾!田淵越え736打点

 「DeNA5-5阪神」(15日、横浜スタジアム)

 逆襲の一撃が飛び出した。阪神・鳥谷敬内野手(34)が四回、左翼へ18試合、77打席ぶりの一発となる2ランを放った。六回には右前適時打をマーク。2安打3打点で、田淵幸一を抜いて球団歴代7位の通算736打点とした。今季3度目のドローに終わった中、不振脱出への光となるキャプテンの3打点だった。

 崖っぷちで発奮したキャプテンの一撃も勝利には届かなかった。四回に4月22日・広島戦(マツダ)以来の2号2ラン。六回にも右前適時打で2安打3打点。不振を脱し切れない鳥谷のバットで主導権を握った試合だったが、白星には結び付かなかった。

 待ち望んだ一撃は1点を先制した直後の四回2死三塁で迎えた第2打席。山口の140キロ直球を力強いスイングで叩いた。打球はきれいな放物線を描き、虎党で埋まった横浜スタジアムの左翼席に吸い込まれていった。

 左方向への一発は15年5月22日・DeNA戦(横浜)で同じ山口から放って以来。表情を変えずダイヤモンドを一周した鳥谷だが、試合中の球団広報を通じたコメントでは「うまく叩けました。あのイニングを1点だけで終わるのと点が入るのとではゲームの流れが違ってきますし、いい1本が打てたと思います」と確かな手応えを口にしていた。

 18試合77打席ぶりの一発となる2ランで、1日・DeNA戦(甲子園)以来の打点を記録。球団歴代7位の田淵幸一に並ぶ通算735打点とした。六回2死二塁の第3打席ではタイムリー。4日・中日戦(ナゴヤドーム)以来のマルチ安打には表情を少し緩めた。かつてのミスタータイガースの打点記録を一気に抜き去ると二盗も決めた。5月チーム初盗塁で通算111盗塁とし、球団歴代9位の北村照文に並んだ。

 長くトンネルでさまよっていた。前日14日、九回2死から右線二塁打を放った。この一打で節目の通算300二塁打を達成したが、実に5試合23打席ぶりのヒットだった。

 この日もウオーミングアップ後は室内練習場に直行。フォームも微調整し、若手に交じって約30分間黙々と打ち込んだ。ベテランの異例ともいえる2日連続の特打に付き合った浜中打撃コーチは「本人もいろいろ思うところはあると思うけど、今日は練習からよかった」と復調の兆しを感じ取っていた。

 片岡打撃コーチも鳥谷の逆方向の一発を「向こうにしっかり叩けているということじゃないかな」と明るい材料と捉え、2安打3打点に「きっかけにしてほしい」とさらなる奮起を求めた。

 勝てばヒーローインタビューの筆頭候補だったが、八回の味方の拙守が響いてお立ち台は幻に終わった。試合後の鳥谷は「まだ、いいとかいう状態ではないので、次の試合でまた頑張ります」と表情を引き締めた。開幕戦以来となる借金生活だけは何とか回避した。頼れるキャプテンがここから本領を発揮する。

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