板山、掛布以来のドラ6新人・5番打者

 「中日0-1阪神」(5日、ナゴヤドーム)

 大抜てきに結果で応えた。阪神のドラフト6位・板山(亜大)がプロ初の5番で先発した。球団ではドラフト6位の新人が5番に入るのは、74年の掛布以来42年ぶり。好打と好守で快挙に花を添えた。

 「打順を気にせず、できることをやろうと思った」。4日・中日戦はプロ初の猛打賞。勢いづいたルーキーは、1打席目から快音を響かせた。

 二回1死、カウント1-1。「バッティングカウントだったので、思い切って打っていこうと思った」。小熊の高めの直球を捉えて中越え二塁打。プロ初安打を放った1日・DeNA戦から4試合連続安打となった。

 守備でも魅せた。初回1死二塁で平田の右中間への大飛球をランニングキャッチ。抜けていれば先制されていただけに、先発・メッセンジャーを助けるビッグプレーだった。

 板山の5番起用は、この日ウエスタン・広島戦が行われていた甲子園にも伝わっていた。掛布2軍監督は教え子が自身に続いたことに「あんまり気にしていなかったけど、うれしい限りだね」。2軍キャンプスタートから大きく羽ばたいていく過程を見てきただけに、喜びはひとしおだった。

 試合を重ねるたびに、周囲の評価は上がっている。だが、板山は冷静だった。

 「これ(好調)が長く続くとは思わない。謙虚に一球一球、食らい付いていきたい」

 ただ、同期のドラフト1位・高山よりも先にクリーンアップを任された。その事実と経験は大きな自信となるはずだ。

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