ドラ1・高山、柳田よりスイング速い

 阪神からドラフト1位指名を受けた明大・高山俊外野手(22)が23日、「神宮の安打製造機」からの“変身”を誓った。前日のドラフトから一夜明け、この日は東京都府中市内の同校グラウンドで練習。金本知憲監督(47)からの「ホームランを打てる打者を目指してほしい」という言葉に発奮し、大砲へと進化する。

 指揮官からのメッセージが高山の闘争本能に火を付けた。期待されているのは「安打製造機」としてではなく「ホームランバッター」としての自分。東京六大学リーグ通算131安打のヒットメーカーは、大砲へ変身する覚悟を決めた。

 「金本監督からそういう選手に育ってほしいと言われましたし、選手としてそこを目指すのが正しいと思います。選んでいただいた監督への恩返しにもなると思います」

 通算安打記録更新へとまっしぐらだった4年生シーズン。「ヒットゾーンに運ぶような打撃。記録を意識していました」。だが鉄人が認めるのは「ミート力」だけではない。一発で流れを変えられる力-。卓越したバットコントロールに加え、プロの世界ではフルスイングでも勝負する。

 爆発的なスイングスピードがその誓いを後押しする。3週間前、スイングを解析する専用器具で161・8キロのスイングスピードを計測した。ソフトバンク・柳田でさえ157キロで、その数字は驚異的。「自信があります」と話す強みは、プロでもトップレベルだ。

 先輩からもどん欲に技術を吸収する。「素晴らしい選手」と話すのは、同じ外野手で右投げ左打ちの福留。「一つでも多く吸収したいですし、少しでも福留さんに近づきたい」。26日に右手有鈎骨(ゆうこうこつ)の手術を受けるが、順調なら約2カ月のリハビリで復帰可能。来年2月の1軍キャンプ行きが決まれば弟子入りも実現するかもしれない。

 高山にはまだやり残したことがある。「試合に出ることは難しいですが、ベンチにいてできることはあると思います」。現在リーグ首位の明大は24日、優勝と明治神宮野球大会出場をかけて法大と戦う。プレーは無理でも日本一を目指す仲間と志は同じ。完全燃焼の先に、プロの舞台が待っている。

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