阪神3位転落…和田監督よ勝負して!

 「巨人3-0阪神」(22日、東京ドーム)

 猛虎の意地とプライドはどこへ-。阪神は今季16度目の完封負けで、8月4日以来の3位転落。3差。首位・ヤクルトの背中は遠のいた。和田豊監督(53)は「こんなことでへこたれんと前を向いていくしかない」と強気の姿勢を崩さなかったが、希望の明かりは徐々に小さくなっている。

 危機的状況だ。必勝を期して臨んだ宿敵との一戦で完敗。リーグワーストとなる今季16度目の完封負け。8月4日以来の3位転落。首位ヤクルトとは3差に開いた。勝負の12連戦最初の5試合で、1勝4敗の体たらくだ。

 「こんなことでへこたれんと前を向いていくしかない。深く考えんと。策を練って。このままでいいとは決して思っていない。何としても取る。選手は絶対に諦めていない。まだ行くつもりで」

 試合後、悲壮感を漂わせた和田監督は、自分に言い聞かせるように必死に言葉を発した。そして前向きな発言を繰り返した。だが果たして指揮官が、何が何でも1点を取りにいくタクトを振るっていたかとなると疑問が残る。

 象徴的だったのは0-0の二回の攻撃。1死満塁。大和は2球連続で直球をファウルし、3球目の外角スライダーで空振り三振。大和は前日にスクイズを失敗していたとはいえ、何か仕掛ける作戦はなかったのか。フリーで打たせて最後はボール球に手を出した。続く打者は投手の岩崎。過度な期待はできない。大和の直近5試合の打率は15打数3安打の・200。決して好調とは言えない。ベンチ力で先制点をもぎ取るべきだった。

 1番・鳥谷、2番・今成、3番・マートンが精彩を欠き合計11打数無安打。「いずれにしても0(点)では勝てんわな」。特に鳥谷は3度先頭打者として打席に立ったが、一度も出塁できなかった。「鳥谷だけじゃなく、先頭打者が頑張らないとね」と奮起を促す姿は、これまでと何も変わっていなかった。

 何度も目の当たりにしてきた。何事も選手任せで、選手が結果を出せば勝つが、その逆は敗戦に直結することが多かった。巨人の原監督は選手起用で自分のポリシーを貫き、失敗を恐れずに周囲が驚くほど積極的に動いてきた。序盤でも代打の切り札を使う勝負手を繰り出してきた。果たして今季の阪神において、監督で勝った試合がいくつあったか-。和田監督には、もっと激しくタクトを振るい、果敢に勝負してほしい。その意図を選手がくみ取り、一体感を生むと思うからだ。

 東京ドームでは今季2勝10敗で、20年ぶりのシーズン2桁敗戦。敵地での弱さも露呈した。待ったなし。1敗も許されない。今日こそ和田監督の力で勝つ試合が見たい。

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