梅ちゃん救った!千金V打で首位守った
「阪神3-2DeNA」(21日、京セラ)
でかした、梅ちゃん-。7月1日以来のスタメン出場となった阪神・梅野隆太郎捕手(24)が二回1死一、二塁から右中間に先制の2点適時二塁打。守っても岩田を好リードし、連敗ストップに貢献。負ければ首位陥落の可能性もあった一戦で放った値千金の一打。これからも頼むで。
自慢のバットで試合を決めた。7月1日・ヤクルト戦(神宮)以来の先発出場となった梅野が、決勝の2点適時二塁打。守っては先発の岩田を好リード。2度の2軍落ちを経験し、苦しみ続けてきた男は「岩田さんと勝てて良かったです」と満面の笑みを浮かべた。
0-0の二回1死一、二塁。砂田の浮いた直球を完璧に捉え、右中間を真っ二つに破った。「チームに流れを引き寄せる一本。三振を恐れず気持ちでいきました」。二塁ベース上で3度大きく手をたたいた。会心の一撃が、3連敗と沈むチームをよみがえらせた。
扇の要としての仕事も「アウト一つ一つを積み重ねられるように。テンポも速くしようとしました」と梅野。試合前、岩田と左打者の内角を攻める作戦を立てた。五回2死一、三塁は筒香の懐を攻め、最後はフォークで二ゴロに仕留めた。
「リードに答えはないですよね…」。梅雨空の鳴尾浜。神妙な面持ちで自身の課題である守備と向き合っていた。好調な打撃とは裏腹に、2軍戦でも大量失点を喫する現状。どうすればいいのか-。寄り添い、激励し続けたのは吉田2軍バッテリーコーチだった。
「リードは強気で素晴らしい。でも、投手の気持ちがついてこないと意味がない。心理を読むのも大事だし、コミュニケーションも大事。信頼関係を築いていけるかなんだよ」
少しずつ梅野が変わっていく。投球内容を問わず、降板した投手の元に必ず歩み寄って言葉を交わした。「勝てる捕手になりたいんです。そのために自分ができることを考えました」。投手があり、自分がいる。2軍という土壌で見つけた成長の種。捕手というポジションのあり方を見つめ直した時間だった。
「本当に苦しいシーズン。ファームでも悔しい思いをしました。だから、この試合に懸ける思いは強かったです」と声を張った。和田監督は「何とか抑えようという必死な姿勢が見えた」とリード面に高評価を与えた。岩田とともに勝ち取った勝利。2年目、梅野の暑い夏はまだ終わらない。
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