福留がサヨナラ弾!球団通算5000勝王手

 「交流戦、阪神2-0楽天」(27日、甲子園)

 勝利への執念が乗り移った。浜風が神風と化す。夜空に舞い上がった飛球が最後にもうひと伸び。阪神・福留がサヨナラ本塁打で接戦に終止符を打った。

 延長十一回2死一塁。カウント2ボール。「2アウトだし、有利なカウントだったのでなるようになれ、と思っていった。打てる球は何でも打ってやれと思っていた」。集中力を高めた3球目。戸村の真ん中直球を振り抜いた。

 打球はフェンスに張り付いてジャンプした中堅・福田のグラブをわずかに越えた。6号サヨナラ2ラン。静まり返って、打球の行方を見つめたファンが歓喜を取り戻す。右手人さし指を高々と突き上げて、ダイヤモンドを一周する背番号8に大歓声が降り注いだ。

 和田監督も興奮を隠せなかった。「こういう緊迫した試合を決めるのはだいたい孝介。距離は足りないかなと思ったけど、神風が吹いたね」。球団通算5000勝へ王手をかけたベテランの底力に感服した。

 後輩にささげる一打だった。先発の藤浪は10回を一人で投げ抜いて無失点でマウンドを降りた。だが、援護ができず、中軸の一人として責任を感じていた。本塁で手荒い祝福を受けた後は、自ら藤浪の元へ歩み寄って声を掛けた。

 「『(勝ちをつけられず)すまんかったな』と。今後は僕らが助けてあげられるようにしたい」

 21歳ながら先発の軸として奮投する後輩の姿を見つめてきた。開幕後は何度も声を掛け、自身の経験を踏まえたアドバイスを伝えてきた。「いろんなことを考えて、本調子でない中で修正して、修正して今の状態がある。僕らも見ているし、何とかしてやりたいと思っている」。頼りになるベテランは、次回こそ後輩を後押しする。

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