藤本新コーチ まず選手との距離縮める

 「阪神秋季キャンプ」(8日、安芸)

 6年ぶりに阪神に復帰した藤本敦士2軍内野守備走塁コーチ(37)が8日、高知・安芸での秋季キャンプに合流。指導者としての第一歩を踏み出した。慣れ親しんだキャンプ地で、まずは選手との距離を縮めることを主眼に指導にあたった。「第2の鳥谷」育成を命題に、若虎の力量を把握する秋にする。

 藤本新コーチがダボッとしたユニホーム姿で円陣の輪に加わった。「現役時代のサイズでお願いしたんだけど…」。袖を通すと腰回りや胸元が少々緩め。鏡に映る自身のタテジマに苦笑いしたが、指導者デビューの中身はユルくはなかった。

 外野の芝でキリッと就任のあいさつを済ませると、自然と懐かしいポジションに足が動いた。現役時代に親しんだ二塁、そして遊撃の後方で選手たちの動きを追う。理想のコーチ像は、上からでも下からでもなく「選手目線」であることだ。

 「初めて会う選手もいるので、きょうで全て分かったわけではないけれど、僕が思っていた以上に皆、力がある。それを試合でどのように生かしていくか。まずは選手との距離を縮めていきたい」

 対話抜きに個々の力量をはかることはできない。そんな思いが「初日」からあふれ出た。この日は「小学生以来」という右打ちでノックを行い陽川ら内野陣の守備を指南。「打つだけじゃなく、守れて走れるほうが向上する」と説き、ベースランニングのタイムで最も遅かった西田には「盗塁ならスタートの切り方、スライディングのスピードを上げることでも差を縮められる」と具体策を授けた。

 「内野陣を見ても、今がチャンス」。まずは対話路線で「第2の鳥谷」に育てるべく資質を見定めていく。

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