コンラッド来日初弾!苦手竜投を粉砕

 「練習試合、中日11‐15阪神」(16日、北谷)

 竜の度肝を抜く一打だ。阪神の新外国人、ブルックス・コンラッド内野手(33)が16日、中日との練習試合(北谷)で来日初本塁打を放った。昨季7勝16敗1分けと大きく負け越した相手に、名刺代わりの一発。頂点を目指す和田豊監督(50)も絶賛の働きで、主軸候補としての力を見せつけた。

 鋭いスイングと響く快音。瞬間、球場にいたすべての人間が、その打球の行方を確信していた。1点を追う四回。先頭打者で左打席へ入ったコンラッドが、辻の内角低め直球を捉え、右翼ポール際の最上段に運ぶ特大の一撃を放った。

 「本当に気持ちよかったよ」。豪快な打撃とは変わり、コンちゃんのニックネームで親しまれる助っ人が人懐こい笑みを浮かべた。チームの対外試合1号、そして自身にとっても来日1号となる一発。だが、それ以上に内容の濃い、意味のある本塁打となった。

 変化球に2度の空振りを喫する、劣勢気味の打席。そこからファウルで粘ると、フルカウントからの9球目を仕留めた。「何とか粘って、最後にいい形で捉えられたね」。日本野球への対応力を示す価値ある打席だ。

 相手が中日というのも大きな要素。7勝16敗1分け。昨季の屈辱的な対戦成績をはね返せなければ、優勝など夢物語だ。

 「(中日の)投手陣がいいのは知っている。チーム全体で結果を出せば、シーズンもいい戦いができる」。コンちゃんの一打から、この回一挙6得点。虎にはびこる“竜アレルギー”の払しょくへ、頼もしき一歩をしるした。

 和田監督も「捉えれば、あそこまで飛ばすというのを見せてくれた。大きな、強い印象を向こうに与えたね」と、天敵退治へ頼りとなる男の打棒を手放しで喜んだ。

 周囲の期待に応え、チームに早くもとけ込んでいる優良助っ人。秘密は、日本の文化を積極的に取り入れようとする姿勢だ。この日の試合では、主審と相手捕手にお辞儀をして打席に入った。

 「日本式で、やるのかなと思ったから。英語で『Hi!』と言ったけど、次は『こんにちは』と言うよ」。さらに来日後の食事では「日本の『箸』を使う練習をしている。(打席は両打ちも)箸は右手オンリーだけどね」という熱心さだ。

 これまで対外試合での安打は左のみ。「左右両方で結果を出したい。これにおごらず頑張りたい」と意気込む。キャンプ中は毎朝、球場への移動時間に妻と2人の子供たちと携帯でビデオ通話を欠かさない。その最愛の家族は3月上旬に来日予定。そのころには、左右で豪打を連発する主砲の姿が見られるだろう。

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