ハリル監督「言い訳」否定、会見での指摘に猛反論

チームのデータを手に質問に答えるサッカー日本代表・ハリルホジッチ監督=東京・JFA(撮影・開出牧)
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 日本サッカー協会が29日、ロシアW杯アジア最終予選のイラク戦(10月6日、埼玉スタジアム)、オーストラリア戦(同11日、メルボルン)に臨む日本代表メンバー26人を発表した。岡崎慎司(レスター)や香川真司(ドルトムント)ら日本代表の主力の多くが所属クラブで定位置を確保できていないことや、試合への準備時間の短さなど、構造的な問題を多く抱えている中、ハリルホジッチ監督は「言い訳をしていると書かないで下さい」と呼びかけた上で、代表チームの現状を訴えた。

 今月のアジア最終予選では日程の都合で清武弘嗣(セビージャ)、原口元気(ヘルタ)が試合2日前の合流になるなど、準備時間は不十分だった。また、そもそも合宿日程がタイトなため、集まってすぐに多くの項目の戦術練習を実施。ハリルホジッチ監督に言わせれば「45分間で9個のテーマを成し遂げた。やり過ぎたかなと思った」という状況だった。

 「ビデオミーティング中に寝ている選手もいた」と疲弊した選手がいる中で「しかし、私は戦術のトレーニングをしないといけない」という現状を説明したハリルホジッチ監督。報道陣から「就任前から状況は把握していたはず。言い訳ではないとおっしゃるが、言い訳にしか聞こえない」という質問を受けると、スイッチが入った。

 「その意見は尊重しますが、その意見を言う能力があなたにあるのか」と反論。「私は日本のプロジェクトに深く入り込んでいます。初日から、サインした時から100%プロジェクトに入り込んでいます。会長も信頼しています。大仁前会長も信頼しています。そして、彼らは何をすべきか把握してくれています」と協会側と信頼関係で結びついていることを強調した。

 報道陣に対しては「フットボールの知識を身につけてほしい。今の日本代表がどのような発展を遂げたか。特にオフェンス面ですね。毎試合、見られていれば分かると思うが、私が就任する前とした後で新しいところが見られたと思います」などと、まくしたてた。

 さらに、「(日本を)私の目的はもっともっと日本のフットボールを向上することですから、いつか世界の強豪国と対等に渡り合えるまでにしたいと思っています。(現状は)トレーニングをグラウンドでする時間がほとんど与えられていない。これは言い訳ではない」と反論。この質問について「皮肉な冗談かなと受け止めた」としつつ、「それを皆さんから言われても何か変わるのか。私は何をしなければならないか分かっています。A代表の発展を見てください。就任してからの統計、数字も明らかになっています」と自身の手法や成果に問題はないとした。

 日本協会の田嶋幸三会長は「現状を説明してくれたと認識しています。先ほども長い時間、話しました。どう戦って、このイラク戦をどう戦うか説明を受けています。現状の中でイラク戦に勝つための準備を十分していると認識しています」とハリルホジッチ監督の考えや発言に理解を示した。

 以下、招集メンバー。

 ▽GK 西川周作(浦和)、東口順昭(G大阪)、川島永嗣(メス)

 ▽DF 酒井宏樹(マルセイユ)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、長友佑都(インテル・ミラノ)、太田宏介(フィテッセ)、吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和)、森重真人(FC東京)、丸山祐市(FC東京)、植田直通(鹿島)

 ▽MF 長谷部誠(E・フランクフルト)、山口蛍(C大阪)、柏木陽介(浦和)、永木亮太(鹿島)、香川真司(ドルトムント)、清武弘嗣(セビージャ)、大島僚太(川崎)

 ▽FW 本田圭佑(ACミラン)、小林悠(川崎)、宇佐美貴史(アウクスブルク)、原口元気(ヘルタ)、岡崎慎司(レスター)、武藤嘉紀(マインツ)、浅野拓磨(シュツットガルト)

 日本はアジア最終予選B組で勝ち点3の3位。オーストラリアは2勝の勝ち点6で1位、イラクは2敗で勝ち点0の5位となっている。

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