鹿島3年ぶり6度目V 小笠原がMVP

 「ナビスコ杯・決勝、鹿島3-0G大阪」(31日、埼玉スタジアム2002)

 鹿島が、2連覇を狙ったG大阪に3-0で快勝し、3年ぶり6度目の優勝を飾った。後半15分、MF小笠原満男(36)のCKから先制し、終盤にも2点を追加した。J1の7度、天皇杯の4度を合わせて国内最多の17冠目で、賞金1億円を獲得。7月に就任した石井正忠監督(48)にとっては初タイトルとなった。3得点すべてに絡んだ小笠原は、02年以来となる自身2度目の大会最優秀選手(MVP)に輝いた。

 最多となる6度目の戴冠。小笠原は足元にあった“ウイニングボール”を右足ですくい上げると、そっと主審に手渡した。「非常にいい入り方ができた」と振り返ったように、開始5分で3度の決定機を迎えた。左CKからDF黄錫鎬の先制ヘッドを演出するなど全得点に絡み、2度目のMVPを獲得した。

 かつて常勝軍団とうたわれた鹿島だが、12年のナビスコ杯優勝を最後に無冠が続いていた。今季は途中でトニーニョ・セレーゾ監督を解任。後を受けた石井監督は「最低限、戦う姿勢を見せてほしい」と、“常勝鹿島”のメンタルを取り戻させた。

 その言葉通り、今季リーグ戦で2敗を喫したG大阪を球際の争いで圧倒。小笠原は「石井さんが植え付けてくれたもの。勝利にこだわるのが、このチーム。今日の試合がすべてかなと思う」と胸を張った。

 下部組織のコーチを経て、02年からトップチームの指導に携わってきた指揮官に対して選手の信頼も厚い。試合前にはロッカールームで「石井監督を泣かせてやろう」と声をそろえた。小笠原は「男泣きさせたかったが、さすが優勝慣れしているだけあって冷静だった」と笑わせた。

 国内最多17冠目にも満足することはない。「タイトルを取ったものにしか分からない勝ち方がある。この感覚をまた味わいたいというのがあれば、また取れるチームになる」。小笠原は、次のタイトルであるリーグ第2S優勝を見据えた。

 G大阪の遠藤ら、同学年の中でもひときわ輝きを放った。「ダテにこういう試合をやっていない。36歳には36歳なりの良さもある」とかみしめた。22歳の昌子が「偉大な79年組」と語ったその背中を追うことで、“常勝鹿島”のDNAは受け継がれていく。

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