村田、大差判定も米初戦は不完全燃焼

 「ボクシング・10回戦」(7日、ラスベガス)

 ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(29)=帝拳=がプロ8戦目で初めて米国での試合に臨み、ガナー・ジャクソン(29)=ニュージーランド=に3-0で判定勝ちした。試合序盤からペースをつかみ、相手の動きを見極めて的確にパンチを繰り出した。

 村田は大差の判定勝ちにも、控室ではタオルを頭にかぶって座り込み、まるで負けたようだった。米国デビューは、逃げる相手を仕留められず、不完全燃焼に終わった。豪快な勝ち方で本場のプロモーターや観客の心をつかみ、知名度を上げるもくろみは果たせなかった。

 「期待に応えられない試合で情けない。自分のボクシングの弱さがふがいない。倒して勝ちたかった。実力不足に尽きる」。笑顔はなかった。

 序盤から狙い通りに左ボディーと右フックを打ち続けた。ラウンド終了時にコーナーに戻るたびに、笑みを浮かべる余裕もあった。だが、頭を下げて守りに入る相手に決定打を出せないまま試合終了のゴング。「決め切れなかった。顔面とボディーと2回ずつぐらいは効いたかなと感じたが、その先が出ないのでどうしようもない」と厳しく自己評価した。

 ロンドン五輪金メダルから、プロに転向して2年半。来年1月で30歳という年齢を考えれば、無駄にできる試合は一つもない。「全くだった。これで金メダリストなんて言っていたら、ほかのメダリストに申し訳ない」と反省の弁が続いた。

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