元日本王者・中広2回TKOで有終の美

 「ボクシング8回戦」(13日、広島県立総合体育館小アリーナ)

 元日本スーパーフライ級王者・中広大悟(32=三栄)が、13年間のボクシング人生に終止符を打った。セミファイナルの53キロ級8回戦でペットサイファー・ルークメーラムプーイジム(タイ)と引退試合を行い、2R1分11秒TKO、最後のリングを勝利で飾った。

 30戦目となる節目の一戦は、強烈な右ストレート一閃(いっせん)。「ホッとしています。パンチを一発ももらわずできた。けがなく終わって良かった」とリングに別れを告げた。

 引退式では「みなさんのおかげで(日本)チャンピオンになれたし、広島にこだわってやって世界は取れなかったけど、ボクシングに対して一片の悔いはないし、最高のボクシング人生だった」と、涙を浮かべながらあいさつした。

 ボクシング人生を「ボーナスステージ」という中広。現在、作業療法士を目指して勉学に励む。控室で小学4年生の長男・涼太くんから手紙を渡された時には父親の顔をのぞかせた。第二の人生でも「青少年の育成やボクシングを通じてなんらかの役に立ちたい」と王者の経験を生かす。

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