蛭子能収、マイペースの中のかっこよさ

 タレントとして芸能界で異彩を放ち続けている、漫画家の蛭子能収(67)が6月23日に自著「蛭子能収の ゆるゆる人生相談」(光文社)の出版記念イベントに登場し、変わらぬマイペースっぷりと絶対に自分を褒めない謙虚さを見せた。

 会見の3日前に大好きなボートレース場に足を運び、20万円勝ったという蛭子。会見中にも関わらず、ジーンズのポケットから、ATMに置いている袋を取り出し、「今40万入っているんですよ」と自慢げに報道陣に見せつけた。手持ちのお金を会見で見せびらかす人は生まれて初めて見る衝撃でもあった。

 「財布は持っていないのか?」との質問にも、蛭子は「財布は1回も買ったことないですよ。ポケットが財布…」と言うのだが、見ている方が盗まれないか心配になる程だ。

 また、自身の人生相談本のイベントをやっているのに「他人に相談して、わかるわけない。こんなこと相談しても一緒なのになあと思いながら(やっている)」と本音さく裂。本来、自著のPR会見であったのに、本について語ったのは1点のみ。価格が「630円+税」で安い-ということだけだった。その時も「買っても期待はずれかもしれないけど値段の安さだけは推します」と自虐も忘れずに宣伝していた。

 さらに、終始、自分の本より作家・伊集院静氏の本を薦めていた。週刊文春に連載されている伊集院氏の人生相談を「感動して飛行機で泣いちゃいました」と明かし、その内容をすらすら語ったが、自分の本をめくって読んだ際にはまさかの言葉が連発。「こんなこと言ったっけかなあ。おれこんなこと言ってないよ~怖いなあ」など、自分の言葉は覚えていない様子。これほどまでに自分のことに関心がないとは…。

 テレビ番組にも一定の頻度で出続けている蛭子だが、「仕事がなくなりそうで怖いです」と意外にも不安を吐露。仕事について「大して努力はしてないけど、人の言う通りにしてます」とこだわりを語った。決してマジメではないように見える一面もあるが、関わる人に迷惑をかけないように哲学を貫いている。これが表舞台から姿を消さない理由でもあるのかと感じた。

 人を責めず、自分を褒めない。それでいて、なおかつ自分の中に確固たる芯を持っている。マイペースながらも“カッコイイ蛭子さん”をこれからもテレビや取材を通して見ていきたい。(デイリースポーツ・田中哲)

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