内村、母・周子さんに届けた金メダル

 「ロンドン五輪・体操男子個人総合・決勝」(8月1日、ノースグリニッジ・アリーナ)

 体操男子個人総合で金メダルを獲得した内村航平(23)=コナミ=は、金メダルをかけた自身の姿を1番見せたい人がいた。会場で声をからしながら、必死に応援してくれた母・周子さんだ。表彰式後、観客席に駆け寄り、もらった花束を母に投げ渡した。「航平大好き」と言ってはばからない周子さんへ、光り輝く金メダルを届けた。

 内村は、周子さんと父和久さん(51)が指導する長崎県諫早市の体操クラブで、物心ついたときから体操を始めた。小学1年で初めて出た大会は、床運動でバック転ができずに最下位。「メンタルを強くしなくては」と考えた周子さんは、出費がかさんでもたくさんの試合や大会に連れて行った。海外にも出向いた。

 北京五輪後、内村は一時“反抗期”を迎えた。個人総合銀メダルで一躍注目を浴びた。ただ、明るいキャラクターの母がメディアに引っ張りだこになっているのが、嫌でしょうがなかった。「うざい…」。テレビでそう発言をして泣かせた。

 「なんであんなこと言ったのか…。本当にひどいことを言った」‐。

 母はこの4年間、自分を応援してくれた。昨年の東京世界選手権、団体の金メダルを逃したショックに、夕飯も食べずにホテルの部屋に引きこもった。周子さんはチーズ入りのパンやバナナ、チョコレートなど、好きな食べ物を紙袋いっぱいに詰めて届けてくれた。

 周子さんは笑いながら振り返る。「以前ハグしてくれて、2人一緒の写真を撮ってくれたときには『もう死んでもいい』と思った」‐。

 周子さんはこの日、会場で日の丸模様のフェルト製応援グッズ300個を手作りで用意し、配った。「五輪を目指してきた子なので、うれしかった」と声を詰まらせた。そして、内村が大好きなチョコレート菓子「ブラックサンダー」を、花束代わりに渡した。

 公式会見で、内村は母への言葉をつづった。「1番応援してくれたと思うし、1番パワーをもらった声援だった。感謝の気持ちでいっぱいです」‐。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス