笹井氏 10日前から議論が成立せず

 理化学研究所・小保方晴子研究ユニットリーダーのSTAP細胞論文の共同執筆者で、小保方氏の指導役を務めた、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長(52)が5日朝、神戸市の同センター隣接施設内で自殺しているのが見つかった。兵庫県警や理研によると、現場や秘書の机の上などから、複数の関係者に宛てた遺書のようなものが見つかった。

 この日夕、竹市雅俊CDBセンター長が取材対応し、笹井氏の研究室のスタッフから約10日前に「笹井氏の体調が悪く、ディスカッションが成立しない」と、心療面を含めたケアを勧める進言があったことを明かした。このため理研側は笹井氏の家族に相談。前日4日には、家族から、笹井氏が通院し、投薬治療を受けている旨の連絡があったという。

 笹井氏は前日4日も研究室がある隣接施設に出勤。5日も出勤予定だったが、4日夜から滞在したのか、5日早朝に出勤したのかは分からないという。

 竹市センター長は、笹井氏がSTAP論文に疑念が生じた後の今年3月以降、複数回、副センター長職に関して「やめたい」と辞意を漏らしていたことを明かした。笹井氏はCDB設立に尽力し、竹市センター長をサポート。6月に理研改革委員会からCDB解体の提言を受けた後には、2人で話し合いの場を持ったが、明確な善処策は出なかったという。

 厳しい立場にあった笹井氏の訃報に、竹市センター長は「痛恨の極み。もう少し、我慢してほしかった」と声を絞り出した。

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