【一問一答】高橋 結婚「考えてない」

 フィギュアスケートの男子エースとして活躍し、引退を表明した高橋大輔(28)=関大大学院=が14日午後、記者会見に臨んだ。競技分野から2、3歩引いてスケートと向き合うこと、引退を決意した時期が9月半ばであること、結婚は今は考えていないこと、などを明かした。以下は一問一答の要旨。

 (引退表明について)

 「8月のアイスショーが終わってこれから考えていこうと思っていたんですけど、すっきりしないというか。僕自身もすごく時間がかかるかなと思っていたんですけど、(8月の)アイスショーが終わって何もすることがなく、自分の時間を過ごしているし、引退とひと区切りつけてから次に進んでいく方がいいかなと思いまして。簡単に言えば引退なんですけど(笑)。その後にゆっくり考えていこうと思いました」

 ‐発表しての今の気持ちは。

 「僕の中で現役最後の試合がオリンピックになって、世界選手権にどうしても出ることができなくて、今まで応援してくださった方の前で自分は引退しますと公言してというか、ファンの方の心の準備がないままに引退となってしまって申しいう形をとってしまってすごく申し訳ないなと。こうなってしまってからは世界選手権だけは出てればよかったなという後悔はあるのですけど」

 「スケート自体をやめるわけではないので、競技人生を引退ということなので。皆さんにお伝えできてよかったと思いますし、正直、現役に未練がないわけではない。チャンスがまったくなくなったわけではなく、一度復帰できるということもあって、競技に戻りたいのか、全然違う道を歩むのか、また違ったスケートの道を歩むのか、と今は思っている。こういう風にバーンとなってしまったので、戻ると言っても戻りにくいかもしれないですけど。さらっと本当は言いたかったんですけど(笑)。気持ちとしては(ソチ五輪後の)3月から7か月ですかね、一番すっきりした気持ちでいます」

 ‐未練がありながら引退する理由は。

 「ソチ五輪で一つの区切りと思っていたんですけど、自分の中でも世界選手権までは決まったら出ようと思っていた。自分の中の区切りもついていなかった。大きな理由というと、何なのかなと今自分の中でも、次の目標ができたわけでもないですし、これから考えていきたいですし。自分の中ですっきりしたいなと。そうじゃないと、休養ということでいつ戻るのか、戻らないのか、気持ちを少し残しておくことで、どうも次に進みにくいなと常々、感じている自分がいて」

 「1年考えて言おうかと思ったんですけど、競技、シニアの試合が始まる前に言おうと。すごく自分でも決めたのは早かったので、大きな理由というのはなく、(周囲と)しゃべっていくうちに、このことをしゃべっていくうちに決めてしまったというか。そのうちにやっぱり引退しようと決めたのがいうのが大きくて、決めたのは9月の半ばに決めたので、すごく最近です」

 「多分、どこかに(引退の気持ちは)あったんだと思います。8月までアイスショーもあってすごく忙しくて、それがなくなった時に、その気持ちが大きくなったんだと思います」

 ‐けが、モチベーションが理由か。

 「けがは大きな理由ではないです。モチベーションという意味では理由はあるかもしれないです。オリンピックに出たので、4年を考えてしまう自分はいましたし、最後と考えていたソチ五輪が、万全の状態ではないというか満足のいく結果、気持ちの上でもすっきりやりきったという演技や結果ではなかったので、そういった中でそれがまたできるのかというと、もし現役を続けたとしても頑張れる自分がいるのか。今までソチ五輪を目指す時にモチベーションを保つのがすごく難しいのを感じながらやっていた。今の僕では(再び五輪を目指すのは)不可能だと感じた部分はあった」

 ‐一番の思い出は。

 「なんですかね(笑)。過去というか、一つ一つ終わってしまえばすぐ次へ向かっていたので。ないわけではないですけど、全てが思い出だったかなと。いいことも悪いことも自分にとってはいい思い出だった。どれが一番と言うのは難しいと思います」

 ‐選手としてこだわってきたことは。

 「こだわりが自分ではあまりないと思っているので、流れのままで生きていこうと。強引に自分の思いを通すのではなく、受け入れて、それをやってみて決めるというスタンスだけは、そこだけは自分の中で常々あって。人からいろんなものを吸収しようという思いが常にあって、競技生活をやってきたのかなと思います。あと演技では独りよがりの演技をするのではなく、コミュニケーションを大事にして、1つになるというのを心がけてきたかな。2つぐらいです。それもこだわりというより自然に。自分の性格からやってきたのかなと思うんですけど」

 ‐今後のことは漠然でも考えは。

 「これから自分はアイスショーなんかには出させていただくんですけど、少し一歩引いたところから考えたい。何か縁があればやっていこうかなと。ただ、自分の中で1年、2年の間はフィギュアスケートから少し、2、3歩ぐらい引いた生活をして探していこうかなと。自分がフィギュアスケートというものをどこまで好きなのか、情熱を持っているのか。今までずっと目標がは次から次に出てきたので、目標を定めたことがなかくて本当に戸惑っている状態で」

 「何に情熱を持ってきたかと考えた時にスケートしかなかった。これが本当のものなのか、次から次に来るものを消化してきたものか分からなかったので。引いたところで生活してみれば、どこまでスケートを好きでいたのか、これを本当にやっていてよかったと思えたのか分かると思う。特にはっきりと決めずに、流れのままにいこうと思います」

 ‐ファンへのメッセージを。

 「引退です、と競技をお見せすることができなかったことが後悔しているし、残念と思った。スケートから完全に離れるわけではなくて、これからも皆さんの前で滑っていけたらなと思っています。応援までいかなくても、あんな選手がいたなと言ってもらえるように、ちょっとでも頭の片隅に置いてもらえれば。もしかしたら違った形で出るかもしれませんし、それは僕自身も分からないんですけど、そうなったら、もう1回、応援していただけるのであれば、応援してもらえたらうれしいなと思います」

 ‐この場に来てくれたファンも大勢いた。

 「熱心に応援してくださっている方がいて、その方々に僕は今まで支えられたと思う。引退と発言したことで寂しがっておられる方がいてくれるのはうれしいですけど、いてくれると思う。今まで支えてくださってありがとうございましたと言いですし、完全にスケートをやめたけではないですし、また違った形で僕もスタートしますし。そんな自分をまた、応援というか見に来ていただければ。アイスショーもいくつかきまってますし、そこが皆さんの前に出てくるところかな。町ですれちがったときに声をかけていただければうれしいですね」

 ‐岡山県で会見した理由は。

 「賞をいただくということで、(故郷の)岡山でタイミングが重なったのもあるんですけど。自分が引退をすると決めたタイミングだったり(では)、大々的にこういう会見をするつもりは本当になかったので、岡山に帰った時に…。この町に生まれなければ、フィギュアに出会ってなかったと思う。違うところでスケートを始めていれば早くやめてしまったかもしれない。それがあったので、決めたことを自分の口からお伝えしたいなという気持ちがあって、この場をお借りしてというか、自分の次のスタートの場にしたいと思ってここで言うことにした」

 「タイミングとしては自分が引退しようと決めた時に、シーズンが始まる前にしたいなと。他の選手もこれからモチベーションを上げる中で変な時期に言ってしまって、特にどうのこうのはないと思うんですけど、自分は選手もやっていたので、前がいいのかなと。そういうこともあってこのタイミングで発表させていただいた」

 ‐今後、指導者や振付師への道はあるか。

 「本当に(今後については)分からなくて。アイスショーで滑るのが楽しいですし、人前で滑るのが好きなんだと思うんですけど。それだけじゃないなという自分もいる。スケートに関わっていくのか、関わっていかないのか、ということも視野に入れて、今後生活をしていきたいと思っている」

 「今の段階ではコーチだったり、指導者とか、振付師という選択肢は考えていない。その前にスケートと向き合っていきたいのかというのを、その根本的な部分のところを探すというか、自分の気持ちがどうなのかを感じたいなと。スケートに関わっていくであろうと、そうなるのが、自分としては一番うれしいし、いい結果という風に考えているところだと思います」

 ‐以前、パートナー(結婚相手)がほしいと話していたが、その後、パートナー、結婚については。

 「まったく考えていないですね。今は(笑)。これからなので、これからの人生が決まってから、迷っている段階ではなく、決まってからそういうことをやっていきたい。(パートナーが欲しいと発言した)あの時は寂しかったんだと思います。候補もいないです。そんな時間もなく。1人で。忙しかったんで。そっちに目がいかないというか。中途半端なままというのはあれなんで。まったくないです」

 ‐日本スケート連盟の会長(橋本聖子氏)と連絡は。

 「この引退に関しては誰にも相談はしてないです。自分で決めて後は事後報告は。会長とは電話をしたんですけど、タイミングが合わなくて話しはできていないです。話は通じている」

 ‐印象に残っている演技は。

 「演技っていうのは何個かあるんですけど、演技より(銅メダルを獲得した)バンクーバー五輪での表彰台の景色は今でも思い出せる。今まで忘れっぽいので漠然とはあるんですけど、日本の旗が上がっていくのは鮮明に思い出せる。演技もすごくよかったんですけど、(思い出せるのは)100%ではないですけど」

 ‐大きなけがをリハビリで乗り越えてきた。当時を振り返ると、どんな思いか。

 「すごく昔のことのように感じられますし、けががあったことは、今でも影響がないわけではないと思っている。あれがあったからこそバンクーバーでメダルを取れたと思うし、自分を見つめ直して体をちゃんとつくってやっていかないといけないと思いました。一つの大きなターニングポイントだったと思う」

 「大きいけがをするというのは、その後、ずっとそれがついてくるというのを感じていますし、やっぱりけがはしないほうがいいとも思います(笑)。でもやっぱりあれがなくて今まで続けてこられたかというと、なかったらもっと早い段階でやめていたかもしれない。その2つの気持ちがある。今は気持ちの中ですっきりしている部分があるんですけど。完全にスケート自体をやめたわけではないので、けがは今後もついてくるのかなと思います」

 ‐けがと戦うアスリートに対してメッセージを。

 「人それぞれの向き合い方、付き合い方はあると思うので、僕が自信を持っては言えないですけど、大きなチャンスになる時もあると思う。あきらめずに大変さをいい経験と楽しむんだ、という気持ちでやっていったら絶対にいいことがある。結果が出なくても経験は自分のものになると思いますし、同じ経験をした人には同調できたり伝えたりできると思う。自分の幅を広げる意味ではけがというのは考え方を変えればいいことだったなと思う。頑張ってらっしゃる方には諦めずに頑張っていただきたい。次のステージが決まるまでは逃げずにじっくり向き合って進んでもらえたらなと思います」

 ‐9月半ばに決めたとのことだが、そこから心境の変化、発表しての心境は。

 「決めてから今までは特に変わらずというか、決めた時には、そうだったんだなと自分自身に対して思って、発表する日が来るまでは充実した、すっきりした時間を過ごせたかなと思っています」

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