【シルクロードS】ブライベン究極加速

 「シルクロードS・G3」(2月1日、京都)

 迷いのない逃げ戦法で2つ目の重賞奪取を狙う。6歳牝馬アンバルブライベンが29日、栗東坂路で躍動。上がり重点でラスト1F11秒7をたたき出した。手綱を取った主戦の田中健も好感触。得意の京都6F戦で一気の逃走劇を決める。

 ストレスは全く感じない。軽く促すとアンバルブライベンは、即座にギアをチェンジ。ラスト1Fに全てを集約させ、トップスピードで栗東坂路を駆け上がった。フィニッシュラップは、こん身の1F11秒7(全体時計は4F53秒3)。究極と言っていい加速感で、しっかりと好調を伝えた。

 「おしまいだけ、軽く気合をつけましたが、いつも通りいい反応をしてくれました。使った後の反動も感じません」。重賞初Vを決めた2走前の京阪杯を含め、全7勝中6勝をエスコートしてきたベストパートーナーの田中健は、落ち着いた口調で“いつも通り”を強調し、「いい意味で落ち着きが出てきたように、精神的にも成長してきていますよ」と続けた。

 前走の淀短距離Sは、外枠(16頭立て13番)からの発進。しかも57キロを背負っていた。それでも、迷わず主導権を握り、0秒2差2着に踏ん張った。ハードルが高いなかで見せた粘り強さ。それこそが、充実期を迎えた証しと言えるだろう。

 「中2週ですが、状態は変わらずきています。年齢を重ね、安定してきたのは確か。好調期間が長く続くタイプですからね。今回も自分の競馬に徹するだけ。小細工はいらないでしょう」。送り出す福島師は、迷いのない先行策を示唆。田中健も「ハナにこだわりたい」と話す。舞台は〈2210〉の京都芝1200メートル。自信のステージで、円熟の逃げを打つ。

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