【天皇賞】フェノーメノ史上3頭目連覇

 春の天皇賞で4着に終わったキズナ(手前)=2014年5月4日
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 「天皇賞(春)・G1」(4日、京都)

 4番人気フェノーメノが直線でしぶとく抜け出し、昨年に続くV。史上3頭目の春盾連覇を飾った。脚部不安から復帰した前走の日経賞では5着に敗れたが、見事に逆襲。先々週の皐月賞(イスラボニータ)に続くG1制覇と、蛯名がベテランの手綱さばきをいかんなく発揮した。3番人気のウインバリアシオンがG1で4度目となる2着、圧倒的な1番人気に推されたキズナは4着に敗れた。

 8万人の大歓声に包まれた栄光への道のり。フェノーメノがディフェンディングチャンピオンの意地と底力を見せつけた。

 「後ろ(のライバル)は気にせずに自分の競馬に徹した。それで駄目ならしょうがないし、しのいでくれると信じていました」。蛯名が胸を張って振り返る。後方集団の動きだしを意識せず、4角で迷わずゴーサイン。先行勢を瞬く間にのみ込むと、鞍上の右ムチにしっかり応えて末脚を伸ばす。最後はウインバリアシオンの追撃を首差抑え、見事に91、92年メジロマックイーン、00、01年テイエムオペラーに続く、史上3頭目の天皇賞・春連覇を果たした。

 好スタートを決めると、道中は中団の内でじっくり脚をためた。「1周目の坂の下りで少しハミをかんだけど、すぐに息が入ったので良かった」。不安らしい不安はその場面だけ。強力なライバルたちとの真っ向勝負に堂々と打ち勝ってみせた。

 連覇への道は決して平たんではなかった。天皇賞・秋を目標に乗り込み始めた昨年9月上旬、左前繋靱帯(じんたい)炎を発症。さらに春の激戦の疲れが放牧でも取り切れず、深刻な体調不良にも見舞われ、昨秋は1走もできなかった。そして、長期離脱からようやく復帰した前走の日経賞ではデビュー以来最低体重の488キロで出走。5着に沈んだ。

 「日経賞の時は長い休み明けで、(調整など)良かれと思ったことが裏目に出てしまった。本当にスタッフがよくここまで体調を戻してくれました。今の出来なら差されることはないだろうと思って見ていました」。陣営一丸となっての勝利。だからこそ、戸田師の喜びもひとしおだ。

 昨年4着の宝塚記念(6月29日・阪神)への出否について「状態を見ながら」と明言を避けた指揮官だが、「天皇賞、ジャパンC、有馬記念を目標にやっていきたい」と、秋のさらなる飛躍を見据える。馬名の由来はポルトガル語で“怪物”。昨年は参戦できなかった秋の古馬王道路線を制したとき、その名はさらに輝きを放つ。

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