【JCダート】ベルシャ3連勝で砂頂点

 「ジャパンCダート・G1」(1日、阪神)

 新王者が誕生した。3番人気のベルシャザールが、3連勝で鮮やかにG1初Vを飾った。松田国師はダノンシャンティで制した10年NHKマイルC以来、約3年半ぶりのG1制覇。自身が管理した父キングカメハメハの子でビッグタイトルを手にした。ワンダーアキュートが3年連続の2着、1番人気ホッコータルマエは3着に敗れた。なお、秋のダート王決定戦は来年から「チャンピオンズカップ」(12月7日)の名称で中京ダート1800メートルを舞台に行われる。

 G1馬9頭の豪華競演。阪神競馬場で行われた最後の頂上決戦で新たな砂の王者に輝いたのは、芝からの路線変更6戦目となるベルシャザールだった。ルメールは09年のジャパンC(ウオッカ)以来4年ぶりのJRA・G1制覇に右手でガッツポーズ。「本当にうれしい。長かったし、自分でも4年間頑張ってきた。社台ファーム、調教師に本当に感謝している」と破顔一笑だ。

 自信を持って臨んだ一戦だった。前を射程圏に入れて直線に向くと、右ステッキに鼓舞され、力強い伸びを披露。先に抜け出した内のホッコータルマエをとらえ、ゴール前で外から急襲したワンダーアキュートを首差で退けた。「前走もパワフルな脚を見せていたし、信頼して乗った。最後までよく頑張ってくれた」と鞍上はパートナーをたたえた。

 松田国師も10年のNHKマイル以来となるG1V。ダービー2勝を誇る名トレーナーが「3年半、どうすればスランプを脱出できるか考えた」と苦悩の日々を振り返る。タニノギムレット、キングカメハメハ…多くの名馬を育ててきたが、常に故障との戦いだった。

 「レコードやすごいパフォーマンスはいらない。馬を壊さずに走らせて、勝つことだけを考えました」。これまでレース週の栗東坂路2本追いを1本に変更するなど、調教を工夫。自身が管理し、01年の同レースを圧勝したクロフネを物差しに路線変更も決断した。「今のJRAダートG1は芝できちんと走った馬でないと勝てない」。考えに考え抜いて臨んだ大一番だけに、「自信は相当あった」と胸を張った。

 今後はフェブラリーS(2月23日・東京)でG1・2勝目を狙う。ダートでは〈4・1・1・0〉と全く底を見せておらず、夢は国内だけでなく、世界へも広がる。「馬を壊さないように、まずは1つずつやっていきたい」と師。名門ステーブルから生まれた新たなスターが、ダート界に旋風を巻き起こす。

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